2016年12月15日木曜日

後継者不足?

出張中に飛び込んできた、美唄の老舗菓子「長栄堂」の閉店。
どのメディアにも「原因は後継者不足」とある。

本当にそうなのか?
要因のひとつ、ならわかる。
事象のひとつ、かもしれない。

きっと本人はそうは思ってないはず。
伝える側が納得したい理由を書いているだけじゃないか?責任は自分に求めるべきだ。

原因は?
この街での役割を果たしただけ、なのではないだろうか。

人がいて、贈る心があって、作る人がいて、
菓子屋が成り立つとしたら、
これからの美唄には必要がないと判断したのかもしれない。

それだけ、急速に過疎化しているだけではなく、
少子化も進んでいるのだ。
2008年に150人ほどの新生児だった美唄は、
今年は50人程度になるという。
10年後、5つある小学校はどうなってる?
高齢者の増加と労働人口の流出には、
インフラの合理化と移住促進以外の策があるのか?
20年位前の市長は札幌から通っていて「バカか?」と思ったが、
多くいる隣市から通う市役所職員に住居手当・通勤手当を出している現在も、
本気で美唄のことを考えているのか、疑ってしまう。

行政の対策だけが悪いだけではないと思う。
私含め住民の意識も岩見沢・札幌へ向いてしまっている。
これを認めた上で、街づくりなのだ。
正しい現状認識なくして、正しい課題解決はできない。
プロジェクトが失敗に終わるのは、課題の本質を見つけていないこともあるが、
そもそも現状認識を自分都合で作り上げることから失敗が始まっていることが多い。

過疎化においては、前例がないのだ。
トップ集団を走っているだろう。
先駆者が先の明かりを見つけよう!

話は逸れたが、必要とされる存在でいるか。
またはそういう存在になりたいか。
菓子に限らず、食に関わる仕事は人口減自体が向かい風だ。
後継者不足なんて食べ物への敬意がないのではないかと思ったけど、
我々食に関わる人間が尊敬に値する仕事をしていないのではいか。
自分本意、短期的な視野で優先順位をつけてモノゴトを選択しているのではないか。

上手く行かないことを、他人のせいにしてはいけない。
他人のせいかもしれないが、自分の責任もゼロではないはず。
周りの対策不足を嘆くのではなく、自らの行動を改めて、先が見えてくる。
本当に厳しい10年後しかみえないです、美唄市は。
どう動けるか、ようく考えてみます。

出張その2

第2段は、愛知・大阪・三重へ。

スーパーや百貨店に卸させていただいておりますが、
こちらのスーパーは、本当に買い物が楽しみになります。
本当はいけないんだけど、盗撮しました笑
思わず買って家に発送。

こちらのバイヤーさんにはご飯もご馳走になりながら、
人生観や仕事観などについてもじっくりお話を。
勉強になります、ここまで突っ込んでもらうと。


従姉とご飯食べに行き、珍しいジュースを。
立ち飲み屋さんでご飯が美味しいところ、
名古屋では当たり前なのかもしれないという、
本当に良いお店に2日続けていきました。


今回も初めてお会いするバイヤーさんや飲食店の方もあり、
これまでのお礼や今後を打ち合わせたり、
ただただ親交を深めたりと、色々な人に会って来れました。

こちらはもう友達の域かもしれないです、名古屋のドルチェビータにて、
店主とお客様と、メガネ組のメガネなしショット。

この後は東海地方の農家との交流でした。
愛知県の加藤さんは本当に面白い人で、
行政も農家も色々巻き込んじゃうの。
政治家を巻き込まないところが、本当に賢いと思う。


大阪へも行きました。
来年からは関西への取引を再開する予定です。
というより、再開を約束してきました!


最後は三重のスーパーにも打合せに行き、
来年の期待を一心に受けて帰ってきました。
期待されるって、嬉しいけど、プレッシャーです(笑)


さて、仕事のついでに名所に立ち寄る時間もありました。

京都の養源院は、三十三間堂の東向かい。
写真は帰り道ですが、伏見の戦い後の切腹した兵士の
血痕そのままの床板を天井に張ったつくりは、言葉が出ませんでした。


三十三間堂は、相変わらず何かを訴えかけてくれます。
15年ぶりにいったら、内部は撮影禁止になってました。

大阪から三重への電車の旅は、けっこう疲れます。


こちら、日の出と共に伊勢神宮の外宮。

内宮は相変わらずキレイで清々しいです。


奈良の春日大社。広い。
灯篭が本当に多い。


奈良は色々なものが京都に比べて大きい。
そして東大寺。

大仏の大きさは写真では表現できないですね。

気になったのが、こちら。
階段なんですが、巨大な大仏や菩薩様の横に、
こんなに急な階段がありました。
当時から働く人への気遣いがなかったのではないかと。

ゆっくり古都をみるのは15年ぶりでした。
当時とは違って、そのもの以外にも
動線や周囲のものをみて色々と感じて、噛み締められるようになりました。



営業と言っていいのか、挨拶回りと言っていいのか、
会った人とだけリアルな商売をしたい、
信頼できる人と信頼をもとに商売をしたい、
というわがままにお付き合いをいただけていることに感謝感謝です。

こうして会いに行くこと、収穫時期に圃場に来てくれること、
そのひとつひとつが信頼にも、
その人を良く知ることにもつながっていると思う。
モノと金のやりとりをしているように表面では見えますが、
実際には人と人が信頼関係の中でやりとりしていると思ってます。

わがまま言いながら商売できることは幸せです。
「ストレスから逃げる」というと、嫌なことをやらずに我慢もしていない、
と言う風に解釈する人もいるようです。
言葉なんて人それぞれ解釈が違うのでわざわざ弁明するのも面倒。
それが誤解を生むこともありますが・・・。
「ストレスを予防する」という方が正確かもしれません。
結局、こっちが気持ちよく仕事できている背景では、
先方にも気持ちよく仕事したり買ってもらったりしていることが必要なんです。
こっちだけだ喜ぶことなんて、ない。
人の役に立って、人に喜ばれて、初めて自分に帰ってくると信じてます。」

2016年12月5日月曜日

ひとつの、おわり・・・

12/3は、ムスコのわくわくの杜幼稚園のクリスマス会。
クリスマス会という名のお遊戯会かな。

仲良しのお友達と。

これはわくわくの杜のfacebookから拝借。
オペレッタのムスコ。

楽しそう。


そしてなぜか一役かうことになりまして・・・笑


代表の河岸さんは、入園式・運動会・クリスマス会・卒園式で、
父母に大事な話をしてくれます。
今回は、衝撃的な話でした。
今のこうさぎさん(年少のひとつ下)の卒園をもって、
わくわくの杜を閉じるかもしれない、とのこと。
今はピークで、6年目で91名の園児がいます。
来年は3クラスになり、再来年は2クラス、最後は1クラスです。

この決断は、本当に尊敬します。
本当に苦しい決断をしたと思います。
園としては、今はノリノリですし、評判もすこぶる良いです。
愛にあふれた組織だと思います。
ですが、少しずつ歪みが出始めているのも感じなくはないです。
園児にとって理想的な園であることは間違いないのですが、
支える先生、施設を抱える月形町、預ける親御さんの意識の変化などなど・・・。

たぶん、続けることよりも区切りをつけることで、
自分達ができる最高のサービス、
すなわち理想的な育児環境を可能な範囲で与えようとしてくれているんだと思います。

ムスコが卒園した後も、ずーっと応援したかったわくわくの杜。
なくならないための協力があるなら、喜んでします。
でも今は、河岸さんの意思を尊重したいです。


大好きなわくわくの杜とその先生方、親御さんたち。
みんなこのゴスペルで涙してましたよね。
『君は愛されるため生まれた』
きみの存在が 私には
どれほど大きな 喜びでしょう

出張その1

出発前、かつてないほど寂しがって見送る子どもたち。
最近、ガンダムに興味を持ち始めた子どもたちに、
なぜか人気急上昇のワタクシ。
4泊5日です。

今回はお土産をひとつも買いませんでした。
アスパラでお礼を、と思っていましたが、
各所でのご好意に手ぶらが恥ずかしくなってしまいました。
あと、行った数に写真の数が全く足りません、ごめんなさい。

初日は大得意先にご挨拶に千葉県柏市へ。
お礼とバイヤーさんの情報をいただき、来年の計画も少し。
その後は世田谷の今年からお世話になっているパン屋さんにご挨拶、
昼食をご馳走になった上にお土産までいただくという、なんとも恐縮。
百貨店のバイヤーさんにも突然の訪問でお時間をいただきました。
天ぷら屋さんでは一次産品がとにかく入手困難な厳しい環境について
教えていただきました。求める質が高くて背筋が伸びます。

2日目、かわいいムスコが送って欲しいという新幹線の写真です。
私も久しぶりにのって、そのスピードには現実感を失わせる力がありますよね。
慣れたらなんてことないんでしょうけど。

新幹線で、朝一に静岡県三島市で打合せ。
「会ってから商売」が基本のうちやま農園。
来年に向けて新たに会う人と、お礼に会う人など、とにかく人に会います。

打合せの感触は可もなく不可もなく、でしたが、
友人から聞いていた源兵衛川を散策して、静岡の素晴らしさに触れました。
北海道では自然がどうこうと言いますが、
静岡のような歴史があってかつその大事さを理解している
市民の民度の高さが窺える環境に、感動しました。

カワセミを初めて生でみて興奮。

そして横浜経由で麻布へ。
こちらでは新たなお店とお付き合いできそうで、わくわくしました。

夕方には古くから友人のように付き合っていただいてる商店へ。
自分のやりたいことをすぐに口にできて、
現状を隠すことなく晒せるとてもステキなお店です。

夜はお得意様へご飯食べに。
前回も思いましたが、貝料理が美味しすぎます。
そして野菜も。
アスパラもさぞや美味しく・・・。


3日目は大手レストラン経営会社に挨拶し、また東京へ、
そして神楽坂のお得意様のお店でランチして感動し、
また駅構内を走って横浜へ、すぐに麻布へというぐちゃぐちゃのスケジュール。
この一皿に感動。

こちらは2011年からお取引のある元麻布の日本料理。
こちらの店主に「昔の味のアスパラがない」
と飛び込み時に言われ、送ったアスパラを気に入ってもらいました。
時期がずれたものや雨の後などは
味を敏感に感じてくれて、一番緊張しますが、
一番自信を与えてくれるお店です。
レストランや個人に売るときの自信を与えてくれるひとつは、なかださんです。


最終日の夜は恒例の久松農園へ。
今年は流通勉強会と称して農家や八百屋さんなど11名が集まり、
7時間意見交換を行いました。
翌日は圃場や作業場を見せてもらい、
毎年来るべき場所だと毎年再確認させられます。
先駆者って、こうあってほしいと思います。
僕は、真似が得意かな(笑)

この後に寄ったバイヤーさんからは広島進出の話を
いただき、こちらも嬉しくなりました。
広島はうちも初めての取引です。
反応が楽しみ。

最終日ランチは妻のことが大好きな野菜ジャーナリスト、
篠原さんとイタリアン。
店主を紹介していただき、同年代にビックリ。
来春のアスパラを楽しみに、半年待ってもらいます。

書くとキリがないので、ざっくりと書きましたが、
年々充実していきます、出張。
出会いが出会いを呼び、いい商品がいい人を呼んでる、
なんて実感しています。

今回は夜は中学・高校・大学の同級生とばかり会っていました。
尖がって仕事してた時期を抜けて、
40歳になるとこういう話やこういう承認がお互いにできるんだな、
と客観的にも主観的にも楽しく充実した時間が過ごせました。
お金がかかるとか時間がないとか、
行かない理由もたくさんありますが、
信頼できる人がいて、その輪が広がっているので、
その波及をこちらからも作れるように精進します。