2013年1月22日火曜日

凄い農家って?

【幻日という朝日の横に虹が見える現象】

 
 
 
農家として何が凄いか。
もしくは、凄い農家って、どんなのか。
(曖昧にしたく、凄いという表現にしてます。それぞれの解釈に任せます。)
 
 
直売所で自分で商品を売ることなのか、直接消費者に食物を届けられることなのか、一流レストランにとっても美味しい食材を出荷することなのか、大きな土地を利用して大量に食料を生産することなのか、原料を加工してワインやチーズなどの加工品を美味しく作ることなのか、農法へのこだわりや自然を大事にする農家なのか、科学的根拠に基づいて多収穫するとこか。
 
 
思うに、農業を続けている農家が、もっとも素晴らしいでしょう。
 
 
言っておきますが、農業は、産業です。
前提を否定する人もいるかも知れませんが、保護・利権などの有無は別として、過去から産業として位置づけられています。
 
 
既存の農家に対して、もっと自分で値段をつけるべきだ、とか、農協以外に販売先を作るべきだ、とか、肥料代を減らしてもっともっと経費を削るべきだ、とか、もっと土地を増やすべきだ、とか、もっと人前に出て自分を売り込むべきだ、とか。
これらは完全にベクトルが違う話。
潰れた農家に対しての反省点として挙げるなら上記で良いが、これからのことを決めていく経営者に対して言うことではなかろう。天気予報は、過去の集計からの予報だから当たらないことが多いのだ。現在の異常気象に全く対応できていない。
常に状況は変化しているし、変化はその時からすれば異常なはず。
 
 
本人がそうしたいのかどうか、そこが大事。
目立っても、補助金をたくさんもらっても、自然に良いと思われる農業をやっても、潰れたらおしまい。それって、狙撃や防御の技術が高くても、結局死んで帰ってこれなかった兵隊と同じだ。
潰れたら、だれも助けてくれませんし、お客様は困ってしまう。
別な仕事で食っていけば、仕事人としては凄いですが、農家としては凄くない。
 
 
現状の経営が数年内に潰れるだろう、とか、このやり方なら持続性が高い、とか聞きますが、それも予想でしかありません。絶対はないのです。逆に、潰れると思われている農家が長続きして地域のリーダー的存在になることもあります。急にコメの値段が上がったり、悪天候で野菜がとれなかったり、台風被害があったりと、予想がつかないことは枚挙に暇がありません。
  
 
だからといって、何かをやらないことが悪いわけでもなく、何かをやることが良いわけでもない。
今日、農家をやっている農家、農業で家族を養っている農家は、凄いです。
自分で販路や生産方法などを模索して道を切り開く農家も、農協依存の農家も、続けるという目的は共通してるはずです。まあ、オモシロイかどうか、目立つかどうか、自己満足できるかどうか、などの項目では大きく異なりますけど。

農協依存の農家も、農協に依存すると選択している、と思うと認めるところがある。認めることは、否定するよりも気持ちの良いこと。ネガティブな表現よりもポジティブな表現で目標設定した方が、モチベーションが上がる。
 
 
もう少し、自分らしく表現。
言いたいことは、
農家が、そうやりたいと思って悩んでいるなら、こうすべきだよ、と言ってあげるのは良かろう。
でも、他人が勝手に決めた「こうあるべき姿」を押しつけることについては、ばかじゃねーの、えらそうに、と思うよ。
 
 
農家は自営業者です。
自営業者は、明日どうなるか、わかりません。
今日生きられたこと、今日を最後だと思って思いっきり働けたこと、今日ご飯を食べられたこと、それらが大事だし、感謝すべきだし、
「ただそれだけのことしかないんじゃないか」、とも思う。
 
 
 
【美しい夕焼け前】

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