2021年12月10日金曜日

出張あれこれ、農家編

今年の10月に、久松農園のご一行様が、
北海道に視察に来てくれて、
そのアテンドをさせてもらいました。

covid-19の影響から畑にいる時間がほとんどとなり、
人と会って学ぶという機会が失われていることに、
本当の意味で気づけた時間でした。

そこで、当初は挨拶回りだけの予定でしたが、
無理やり空き時間をつくり、
そこに友人の農家を回るという贅沢な時間をつくりました。

12月は本州の農家にとっては超繁忙期。
半ば強引にアポイントをとり、畑作業を見させてもらったり、
直売の現場に同行させてもらったり、
新規就農の土地選びの「妙」を勝手に面白がったりと、
充実した学びを得られました。
長文になりますが、備忘録として残したいとおもいます。


まずは、久松農園から独立した野瀬くんの就農した
山梨県北杜市の圃場へ。
ロケーション最高!
野瀬くんの性格と畑の場所が、とても合点のいくことに、
新規就農者の性格が土地選びに現れてる妙に、ちょっと気づきます。
もちろん、就農地の課題や今度の展開など、
楽しく聞かせもらいました。


2軒目は、長野県ののらくら農場、萩原さんのもとへ。
5年前、人に働いてもらうということ、
農作業をチームで行うということについて、
真理的な観点から教えていただき、いまだにたくさんの
教唆をいただいております。
忙しい中、収穫作業に同行し、30分動画を回し続けながら、
ずーっと作業を見させてもらいました。
土も良い、人も良い。
のらくら農園には人は変わっても不変の真理があります。
夕方の畑の案内から、夜のレストラン「ヒロッシーニ」での食事まで、
どっぷり甘えて学んびました。


ここから数件は、久松農園の久松さんがアテンドしてくれました。
3軒目は、「茅ヶ崎海辺の朝市」を運営する農家へ。
代表的な役割を果たす伊右衛門農園の三橋さん。
農家として勉強させていただきながら、
直売所ではうちのアスパラも売っていただいております。
朝市、開始直後の綺麗な陳列と綺麗なお客さんの列。
農家のマルシェ的なものは様々ありますが、
こちらの運営は人の善意で成り立っていて、
お客さんもそれを支持するという、
特殊なカタチで成り立っております。
地域性を最大限に生かした理想的な形のひとつとして、
衝撃的でした。

三橋さんの畑では、久松さんたち本州の農家が、
野菜の細かい管理方法や数日単位での栽培管理のズレなど、
もう1年1作の北海道農家には脳みそがついていかないことばかり。
1人で行った5年前とは違う畑の美しさを堪能させてもらいました。


その後、埼玉へ移動。
4軒目は、埼玉県入間市の「上原農園」。
上原さんとは10年来の古い付き合いで、
境遇も似ていることから、とても仲良くさせてもらってます。
畑は4回目かな。
草取りについて久松さんがサンプル道具を持参しての議論。
やっと共通の話題に混ざれて楽しめた(笑)

その後は農家直売コーナーがあるスーパー「ヤオコー」さんへ
行って、そのまま外で立ち話。
後継者として、地域のリーダーとして、
競合する農家や地域の農協出荷農作物について、
本人の成長についてなどなど、
いつも話題と独自の価値観で楽しませてくれます。

伊右衛門の三橋さん、しまじろう農園さん、
在来農場の寺尾さん、野瀬くん、そして久松さんも。


5軒目は、お茶としいたけ「貫井園」の貫井ちゃん。
僕が農家のこせがれネットワークに参加するきっかけとなった、
Uターン就農した後継者です。
原木シイタケの生産現場を案内していただき、
その重たくて細かいという、原始的な仕事に敬服。
配達や品質管理など、もう働きすぎです。

最後に記念写真をば。
上原さんも貫井さんも、10年以上肌ツヤが変わらないのは、
入間のお茶のお陰なのか?と盛り上がるけど、
どっちも本当に忙しく畑で売場で活躍していて、
その充実感も十分に感じることができました。


ここまでが関東圏の旅です。
久松さんが北海道に来た時も感じましたが、
久松さんが話していくうちに農家から引き出されるものって、
普通に行くと聞けないことばかりなんですよね。
だから楽しいし、だから尊敬してます。
でも、そんな久松さんの影響力が強すぎて、
実は「久松断ち」をしてます(笑)
SNSの投稿を見ないようにしているんです。
本人には言ってませんが、それでも尊敬に変わりはありません。
いつもありがとうございます!!



7軒目が、関東を抜け出して、愛知県豊川市。
アスパラ農家で、僕の話を聞いてくれる稀有な存在です。
そして、有名な北河ブラザーズの弟君です。
写真はスナップエンドウですみません。
アスパラ畑を見たことないので、行ってきました。
畑を見ると性格の隠れたところまで見えますからね。
怖いですよね、農家の目は。
アスパラの写真は撮り忘れましたが、とてもきれいに管理してました。
上から視点じゃないですが、期待通りでした。
周りに研鑽する農家がいないということですが、
もう少し色々試してみてもいいかもしれないですね。
固執せず、柔軟に。
暖地のアスパラの難しさは、やはり北海道とは事情が違います。
より高度の技術が求められると思うので、
僕が口出しすることはほとんどなくて、
お互いの情報を頻繁に交換することで切磋琢磨したいです。


最後の8軒目は、愛知県稲沢市のなす農家、丹下くん。
同い年で後継者で代替わりしてスタッフ雇用を積極的に行う、
色々と似ている状況で、時間を忘れて話しました。
こちらもちょうど忙しい時期なので、2時間くらい
仕事をずーっと眺めさせてもらいました。
スタッフの良い雰囲気の空気が、
本当に気持ち良かったです。
そこもうちにとても似てます。

良い人が良い農作物を作る。
僕はそう信じてます。
丹下くんは今後も事業展開が変化しそうで、
ただ話を聞いてるだけでも楽しめます。
柔らかい独特の雰囲気は、人も集まる、羨ましさ。

丹下くんといるとアオバトすらドラマチックに見えるという(笑)

 

書いてみてびっくり、8軒いって、11人の農家と交流できました。
初見の人、何度目かの人、畑は初の人など様々でしたが、
マスクをとり、感情と理屈を組み合わせた話を、
笑顔でできている充実した時間を過ごしました。
これこそ贅沢。
これこそ自営業の醍醐味。
自分が自分を客観視する狭い視野が、少し広く、遠くまで
見えるようになると感じてます。


忙しい時間を割いていただいたみなさんには感謝しかないです。
もちろん、俺はアスパラで(笑)

2021年12月8日水曜日

出張あれこれ、お店編

11/23~12/3、2年ぶりにお得意様へのご挨拶で、
関東、中部、関西を出張してきました。

昨年はcovid-19の影響で行けなかったので、
久しぶりにたくさんの方と直接会って話す、
笑顔で話す、充実した時間を過ごせました。

内容が多すぎるため、お店編、農家編、友人編と
分けて記録しようと思います。
もちろん、ここに書けない、お店への配慮で公開できないことや
僕が個人的に思ったけど言えないよね、という話はたくさんあります(笑)


飲食店さんにつきましては、
さすがというか、
全てのお取引様は継続して営業されております。
お客さんに愛されているかどうかが問われましたが、
原料供給側としては誇らしい気持ちでいっぱいです。

全てのお店にご飯を食べに行くことはできませんでしたが、
これまでお会いしてなかったシェフと話したり、
これまで予約すらできなかったお店でご飯を食べたり、
遠くから元気な営業の様子をこっそり眺めたりしました。
状況は少ししか良くなっていませんが、
みなさん前向きに動いていて、
お客さんもエチケットを守っていて、
それでも夜遅くなると人は少なくて、
お酒の消費量も少ないままで、
2年の間に変わったニーズとうまく付き合いながら、
それでも好きな仕事に関わっているみなさんに、
人と人のつながりが近い現場の良さを感じます。



小売店さんは、元気になりましたが、
変化に対応するのは、いつでも求められていますよね。

野菜売り場では、自分の写真があると少し気恥しくなります。
同時に、気持ちも引き締まります。


ポップについても、うちはもう少し売る人のこと、
延いてはお客さんのことを考えるべきだと痛感しました。

アスパラについては、需要に対して日本の全体的な供給が
間に合っていないのではないかという印象です。
供給力の低下については、農家編で書こうと思いますが、
良いものが取れなくなっている中で、
どうやって集めるか、野菜の価値を伝えるか、
喜んでもらえるか、を真剣に考えていただいてます。


プレオープン前日のお店へも。

こちらのお店は、もう何もかも
ずば抜けている印象です。

物事をひとくくりにして話すことは嫌いですが、
関東よりも関西の方が、売り場の表現力が豊かなんじゃないかと思いました。
流通、慣習、需要量などの要因は色々あると思いますので、
良いか悪いかではなく、お店が何を選択しているか、ということを
今までにないくらい感じることができました。
八百屋さんやバイヤーさんたちと付き合い始めて、
まもなく10年になり、
ようやく人と売り場のつながりが見えてきた気がします。

そして、お店にいくと、ひしひしと感じるのが、
お店側の雰囲気。
売り場とお客さんと店員さんから何となく感じる雰囲気が、
よい空気感なのか、少し違和感があるのか。
その感覚を感じるのも、楽しかった。
間違ってることもたくさんあると思いますが、
なんとなく感じられるようになったのが、嬉しい。


2年前にマツコの知らない世界にでたことで
うちのアスパラが売りやすくなったことも寄与していると思いますが、
アスパラ自体の価値はもう少し上がっても良いと思います。
うちだけじゃなくて、どんなアスパラでも。

鮮度や味だけじゃなく、品種や現場の臨場感、
加工、ポップなど、うちができることは、
まだまだたくさんありそうです。

2021年11月3日水曜日

晩秋

間もなく収穫終了のミニトマト。
4年目ですが新たな発見と友人のご教授のお陰で、
来年はたくさんとれそうです。
この時期で青いのがたくさん残っているのはバツですね。


ハウスのアスパラはいい色になってきました。
ここは一番黄化が進んでいるハウスですが、
遅いところでも、茎も色が薄くなって黄色くなりそうです。
ちなみに、品種はメーデル。
転流へのスイッチがとても早いので黄化も早いのですが、
露地で作っている経験上、
黄化してもあまり養分を転流していないイメージ。
来年、どうなることやら。
でも、この「どうなるかな」が楽しみ。
誰も知らないことを始めに知れる。
でも、自分だけの財産。
なぜなら、畑や気候などの環境が変われば、
アスパラもそこだけのものだから。


秋は夕暮れがきれい。
ムスコは夕焼けの写真が好きみたいで、いつも撮ります。


そんなムスコも、サッカーU12の終盤に差し掛かります。
5年生。130cmと小さい。
チームのレギュラー争いでは悔しい思いをしています。
来年はBチームかな。
写真は先日6年生チームと試合させてもらった時に、
チーム内のお父さんがとってくれた写真。
赤黒ユニの29番です。
コーチからの要求を満たせない。
でも、サッカーが好きで、今後も続けたい。
チームの方針よりも、自分が楽しいと思える、
好きでたまらないと思えるサッカーをしてほしい。
複数のポジションをこなすことを要求され、
試合に呼ばれるかどうかは試合のある週にならないとわからない。
ポジションも試合直前に言われる。
そんな育成メインのチームで、逞しく育ってます。
でも、トップかサイドハーフが多いですね。
美味い子だらけの環境を望んでセレクション受けて入れたチームですが、
まさかレギュラーになれないことは想像してなかったんじゃないかな。
とても良い経験だと思ってます。
挫折や困難にぶち当たって、それを乗り越える努力をする経験。
そして、サッカーだけじゃなくて、勉強や遊びも。
距離という不利な条件を言い訳にせず、
たくさんのことを吸収してほしいという、親バカな親心。


畑の片付けも忙しくなりそうですが、
なんとか雪が落ちにくい屋根のペンキ塗りもおわりました。
高いところ、本当に怖いです。
約300㎡。
知人農家のアドバイスもあって、ありがたや。

雪の予報がでたので、これから1週間で片付けをしたい。
スタットレスタイヤにかえてませんが、冬がきますね。

2021年10月9日土曜日

畑も最終盤

外で勉強したい、

ということで、妻が設置したテントの中で
勉強していたのがずいぶん前に感じます。
はかどったかどうかはさておき、
ランチも楽しくテント内。
農家の特権ですかね。

こちらも寒くなる前に、と
友達を読んでバーベキュー大会。
そしてバスケットボール。
気軽に、年の差関係なく、楽しめますよね。


畑の方は、最終盤です。
カリフラワーは10日あたりから本格的に収穫できそうです。
毎年生育が読めない作物として手を焼きます。
今年は栄養成長から生殖成長への転換が遅れたようで、
温度をもらっていたにもかかわらず、収穫が遅れています。
アスパラも色が抜けていい感じです。
恐れていた台風被害もなく、
明日10日の大風をしのげられれば、
来年はよい春を迎えられそうです。


ミニトマトも上段を残すのみとなってきました。
4年目ですが、
ようやくわかりかけてきた気がします。
でも、本業にするには難しすぎます。


雪虫を10月1日に見ました。

ということは、間もなく雪が降ります。
いつから片付けをはじめるか、と思っていたら、
明日の夜に大風がくるので、それ以降で片付けを開始します。
雪が降ると、畑の支柱が折れたり、ハウスがつぶれたり、
白くなって地面が見えなて片付かなくなったり、
作業に支障をきたします。
一度は溶けるものの、白く覆われるのはひとつの区切りです。

盛夏から涼秋にかけて仕事が落ち着いていきますが、
最後の片付けは追われる感じで忙しくなります。
私もスタッフも、怪我なく終えられるように気を付けながら。

2021年8月24日火曜日

美唄の小学校のこと

 宿泊研修を中止します。


一方的に決定のお知らせを持って帰ってきたムスコ。

がっかり度合いは、半端じゃない。


8月末に開催予定だったものが、

延期ではなく中止とは、どういうこと?

10月から、絶賛反対中の50周年事業が忙しくなるから、

子供の行事はできないってことじゃないのか?

それなら、事業も中止するならわかる。

子供のためになることが1つもない記念事業を、

コロナ禍で進めていくことの意味が理解できない。


学校行事は延期して開催する余地があるのに、

1泊2日の予定がこの先組めないと説明されても、

誰が納得するのか。


ところが、美唄の親御さんは、

「かわいそうだけど、仕方ない」と諦めてしまう。

学校行事には親は口出しできないのはわかっている。

それなりに議論したうえでの結論と思う。

でも、諦めるの早くない?学校も親も。

結局他人事なんじゃないの?


修学旅行は何とか行かせるが、

宿泊研修の優先度合いは低いとも説明された。

信じられない。

学年間で教育優先順位に差があるなんて。


美唄の教育については、ずーっと不満がある。

思い起こせば、私が幼いころから。

その闇も知っているし、悪しき文化の踏襲は、

利権を握るごく一部の人たちとイエスマンによって

続いているように見える。


じゃあ市長でも何でもやって自分で変えれば?

とか乱暴な言葉が飛んでくるのも、何もわかってないやつの言い分だ。

論点がずれている。

とにかく、納得いかない。

2021年8月22日日曜日

管理で口論

5月定植のハウスのスーパーウェルカムです。
順調に生育し背丈が1.5mに届きそうで、
見ていると気持ち良いです。
来年は夏アスパラから収穫できそうです。


こちらは露地アスパラ。
今年は立茎開始の6月下旬から雨がほとんどなく、
7月は酷暑で雨がなく、
そのため擬葉が短いのです。
ですが、立茎期に雨がなかったことで、
親木自体は固く、
病気もほとんどついていません。
このまま新芽をしっかり収穫していけば、
この圃場に関しては病気が少なく抑えられるでしょう。

という目論見を親父に話していなかったせいで、
昨日は電話がきて、30分くらい栽培管理について、
半ば怒鳴りあい(笑)
それにスタッフまで巻き込まれてしまって、
本当に申し訳ないし、恥ずかしいよね。

今年の露地アスパラは3タイプで管理。
①生育順調の畑は立茎剪定して収穫。
②生育不良畑のうち、病気対策で一発立茎後に
新芽をすべて収穫。
③生育不良畑のうち、病気対策しつつ伸ばし放題。

雨の多い少ない、
気温の高い低い、
害虫の多い少ない、など、
色々な要因に対して、
最悪が来てもどこか生き残る作戦。

今年は高温旱魃だったので、結果から言えば、
二次立茎も成功したかもしれない。
それを親父は言う。
しかし、その都度の判断としては、
3タイプ管理で良かったと思っている。
土砂降りや雨続きの可能性だって、
都度あったのだ。


こちら、来年定植予定のアスパラ8,000株。
来年で定植ラッシュは終了。
仕上げだね。
何だかんだで、またウェルカムを苗立てしてます。

全然とれてないけど、何とかギフトは終わりが見えてきました。
お待たせしすぎて、本当に申し訳ございません。

野菜が市場から消えているようです。
そうです、天候不順で全国的に野菜がないのです。
困った困った。

2021年8月17日火曜日

ひとり言のつづき

 アスパラがさ、「今は肥料ほしくないんだよ」て言ってる。


かもしれない。


こっちは過去の経験からこの時期にこのお世話を、とか、

今こそこの病気予防を、とか、

今は何もあげなくて大丈夫、とか決めて作業してます。


でも、アスパラの様子からそう判断しているだけで、

実は「もう遅いよね」とか、

「腹いっぱいなのに食べれないよ」とか、

「病気になるような免疫してないけど」とか、

そういう状態の時もあるでしょう。


そこを、こちらの勝手な都合を押し付けている可能性はある。

それはアスパラにではなく、他人にも。

自分がこうしたんだから、このくらいはやってくれるだろう、

やってくれたからこのくらい返しておけばいいだろう。

それが合ってないと、両想いにはなりませんね。

独り善がり。


人に対しては、独り善がりでも、それなりの仲間ができる。

でもアスパラに対してこっちが独り善がりでは、うまく作れない。

それはあったかもしれないなー。


暑い中、よく光合成して根が伸びているから、

アスパラの吸収根は水を探しているだろうし、

新芽が出てきて頭の開きが早いと思ったけど、

雨が降れば締まるだろう、なんて、甘かったのかも。

瀕死状態だったかも。

ハウス内はたっぷり毎日水あげたもね。

露地は強いから、なんて都合の良い解釈だったかも。


開花時はやっぱり水がいるんだよ。

いるさそりゃあ。

本当?となりの株は5日遅いけど、

そっちの方が生育いいよ?ん?


思い通りに生育して、

美味しい農作物がたくさん収穫できたら、

そりゃあ楽しいよね。

そうじゃない。

思い通りにならないことを、

楽しめることが農業の醍醐味のひとつじゃないか。

今は楽しくないけど、

後で楽しく話せるように。

気が狂いそう?

驚異的にアスパラがとれない・・・。

夏アスパラ、大不作。
昨年より、一昨年より、さらに悪い。今のところ。

露地が旱魃で萌芽が遅れたのが原因なのか、
酷暑に耐えて体力を使い果たしたのか、
ただ雨がないだけなのか、
全部だ。
露地でも水が出る畑は通路に水を流すが、
手遅れ感は否めない。
もっと早くやっておけば、ということは多々あるが、
30度以上の快晴が2週間も続くと、
身も心も疲れて頭も回らず。
何を言っても言い訳なのだが、
出るべき畑のアスパラがでないお陰で、
いまだに夏アスパラのギフトが送り終わっていない。
待っているお客様、申し訳ございません。

待っていただいている小売店のバイヤーさんも、
スーパーのバイヤーさんも、店長さんも、
ごめんなさい。


こういう良い状態だったのは5日くらい。

暑さに耐えてようやく出てきたと思ったら、
今度は15度の暴風雨。
一気に秋モードで、アスパラの萌芽が紫色という…。


そしてトウモロコシ。
今年はキツネの被害が甚大。
畑に入るのもストレス。
そして何より、トウモロコシがとれているのに、
夏アスパラがとれず、セットが送れない。
もう、こんなことはないと思って作っているセットのギフト。
こんな年もあるんだな、とお客様が待っているので、
辛い。
2つの作物の旬を合わせるのは、来年からは止めにします。
トウモロコシは美味しいので、あれば入れますという夏の商品にする予定。


田んぼは順調に開花して、穂も大きくなってきたんだけど、
先日の15度の暴風雨で一部が倒伏。



せめてもの慰めは、バスケットゴールを買ったら、
子供たちが楽しく遊んでくれることかな。

アスパラがとれない。
これに尽きる。
気持ちが落ちたままなのだ。

どうしようもないから、ブログを書くことにした。
逃げ場もないし、誰も助けてくれない。
あ、これ、一昨年も経験したな。
似てる。

毎年の変化がジェットコースターだ。
今年もこの後、そのままアスパラがとれない可能性もある。
本州や九州で猛威をふるっている前線が北海道にもかかり始める。
暑かったことが羨ましくなるような雨が続く天気かも知れない。
最悪は借金が膨らみすぎて経営できなくなることだ。
あ、今年は雹もあたって、2トンくらいのアスパラが死んだんだ。

むむ、なんて年だ。

良い畑もある。

でも、悪い方に引っ張られて、ネガティブモード全開だ。
病気対策はやった。できることは。
子供たちは元気だ。
家族も元気。
スタッフも元気。
そうだ、それならいいか。
て思いたい。

歌っても、遊んでも、休んでも、
人と会っても、笑っても、焼肉食べても、
アスパラがとれないと具合悪いままだ。

2021年7月21日水曜日

何が辛いって

お客さんにアスパラを待たせていてることです。

暑さも、そうとう辛いです。

アスパラが思うように生育していません。

待っている人がいるありがたさと、

その期待に応えられない申し訳ない気持ち。

悶々としながら、良い仕事に努めます。

て、とりとめなく書き始めてしまいました。


酷暑で、早朝とトワイライトしか葉面散布もできません。

今年は北海道ではほとんどありませんが、

褐斑病対策が必要ですね。



アスパラを作って増やしていくと、

販売先をどこに特化していくか、という岐路に立ちます。たぶん。

ギフトに、量販店に、小売店に、レストランに、
直売所に、仲卸に、などなど。農協に、という人もいますね。
どれも、決めて進むだけなので、正解はないです。
それぞれ、労働力や地域性、環境、性格、縁、
目標などをもとに、各生産者が考えて決めていきます。

ですが、食べるお客様のことを考えている生産者と、
ロットや生産量や納品時間だけを気にしている生産者では、
品質に大きく差が出てきます。


面白いのは、販売先ごとに、それぞれの
深い世界があることです。
同じ生産者でも、販売先が似ていると、
共通の悩みがあったりして、楽しく話せます。

うちは、どれにも絞れずに、仲卸以外はどこにも発送してます。
食べる人のことを常に考えているつもりです。
どこかに特化しすぎるリスクを取れずにいます。
良いか悪いかではないと思ってます。
こういうやり方になったのも、自然の流れだったと思います。

2021年7月5日月曜日

夏と来年への準備

来年定植予定のアスパラの発芽です。
品種はカリフォルニア500。
収穫開始は2024年。
2044年まで収穫したい。
その時僕は67歳(笑)
どうなっていることやら。


窓から見える景色が、今年だけは違います。
水田です。
緑が気持ち良い。


露地アスパラの肥料散布、ニューマシン導入です。
これまでは手動でしたが、自走式に。
農家は体力が第一ですが、年とともに無理も効かなくなります。
1ヘクタール以上の散布でより効率的になります。
追肥は大事な作業なんですが、
辛いと二の足を踏むようになるんですよね。
それはアスパラに良くない。
アスパラに良いかどうかで購入を決めました。


ハウス内のアスパラも順調です。
少し遅れ気味かも。
それでも、気持ちよい生育風景です。

方や露地アスパラは、干ばつで心配になる生育。
仕方ないのですが、根を地中に伸ばして、
一気に成長する準備をしていることでしょう。


ハウス内の成園では、剪定が終了。
今年はとても上手に仕上げてくれました。
本数がちょうどいいので、光の入り方もバッチリです。


この夏のこと、来年の春のこと、再来年のこと、
10年後のことなどなど、
先々のことを考えてアスパラを作っていくのは、
果樹農家と同じ感覚ですね。
単年のことだけでは、続けられないです。



こちら、ムスコのサッカー休憩中。
先週末に試合があり、5年生の選抜メンバーに入りました。
コロナ対策で無観客試合なので、
試合の合間は車中です。
見れない親はずーっと車中。
チームの育成方針から、ポジションは2つ与えられ、
トップとサイドハーフ。
ロバパンカップの予選は2回戦突破。
7/10に準決勝と勝てば決勝戦です。
6年生の強豪相手にどこまで良いサッカーができるかな。
相手も強いですが、チーム内の競争も激しい。
今だけじゃなくて将来を見据えてどこまで成長できるか。
挑戦は続きます。
なんとなく、SNSに載せにくいので、
こちらで詳しく書かせていただきました。
テツ、コンサでも頑張ってますよ。

2021年6月13日日曜日

少しずつ

 農業は、特に北海道では、1年で1サイクルなのです。


それでも、うちやま農園は変化し続けています。

都会の組織や大会社が日々変化しているように、

見えないところが少しづつ変わっていて、

その小さい変化が積もり積もった時に、

ある形になって目に見えてきます。


見える前の、こっそりひっそり、意識的にも無意識でも、

少しづつ働きかけたことが、良い方に現れたら達成感もあるし、

とても嬉しい。


でも悪い方に現れることも、たくさんあります。

それでも、修正して良い方向に向かわせたり、

途中で諦めることで、あらたな変化を生んだりします。


その変化が、日々の目まぐるしい対応と思慮が、

僕自身が経営を飽きない要因のひとつだと思います。

安定的に儲かるよりも、適度な自然災害に遭いながらの、

ジェットコースターのような経営は、

家族にとっては辛くても(申し訳ない)、

仕事のやりがいにつながってたりするんです。


さあ、春アスパラも最終盤。

ハウス、露地、と続きましたが、まもなく終了です。

そしてこれから1か月が、来年の春アスパラへの仕込みで

最も大事な時期です。

大好きなサッカーのヨーロッパ選手権が行われていますが、

来年のアスパラのために全力を尽くします。

2021年5月26日水曜日

5月、始まることだらけ

すみません、50日も空いてしまいました。

前回の投稿から、ハウスアスパラが始まり、
ホワイトハウスをつくってホワイトアスパラが始まり、
それでも天気は良くないので作業時間がすくなく、
少ない時間の中で土をさわるので段取りも多く…。
という言い訳です(笑)

ホワイトアスパラの被覆は、こんな感じです。
赤井川コロポックル村の赤木さんに教わって、
かれこれ7年くらいになります。

4月下旬には、防風林の定植。
子供たちは手伝ってくれて、
その時間とお金は母の日のプレゼントに代わるという、
とても嬉しいお話です。


5月中旬。
露地アスパラ、今年も定植します。
約55a。
まずは半分の面積にメーデルを定植。
慣れたスタッフ揃いで、段取りから片付けまで、
半日で終了。


5/23。
ハウスも4棟13aを定植。
メーデル、スーパーウェルカム、カリフォルニア500を定植。
2棟では、初の畝幅の変更。
真ん中を2列にして、両端1列ずつ。
風を入りやすくして通気を良くする一方で、
真ん中の通路がなくて蒸れや防除が少し心配。


そして5/25。
昨年に続き、雹が降りました。
30秒ほどの猛烈な降雹で、全滅です。
折れたり、氷がぶつかって曲がったり。
これが露地栽培なんですよね。
そしてこれをすくってくれる人や事業はほぼ無し。
リスクを考えると、露地栽培が減るわけですが、
やはり猛烈に美味しいんですよね、露地のアスパラ。
5日ほど、アスパラが収穫できないのですが、
めげずに頑張ります。
昨年同様に大きく気分が落ち込みましたが、
淡々と作業を続けます。
アスパラに良いことをし続けます。

2021年4月11日日曜日

一気に春めく。

3月2日を最後に、ほとんど吹雪かなかったお陰で、
猛烈なスピードで雪がなくなっています。

3/20には、まだ半分のハウスはこんな状態。
1.3-1.6mくらいの積雪。


3/27には道路わきの雪も一気に少なくなり、

3/29、早いハウスでは萌芽前の培土崩し。
手作業で土を均一に畝から落としていくという、
熟練の技です。
この後、二重ハウスを被覆して2週間。

ようやくここまで来ました。
明日4/12から発送開始です。
こちらの品種はアティカス。
適正環境のストラークゾーンが非常に狭く、
偶然なのか必然なのか、うちではそこそこ良く生育しています。
それでも、もう次に植えることはないだろうと思ってます。

こちらは従来からの主力品種、ウェルカム。
見た目も綺麗だし、見慣れていて落ち着きます。

こんなことをのんびりと眺めて写真撮っていられるのも今のうち。

雪が解けて露地アスパラの作業が始まり、
その他の畑作物の世話が始まると、一気に繁忙期へ。
そしてメインの露地アスパラ収穫まで、あと40日くらいでしょうか。

今年はどんな春になるのか。
昨年のように雹にあたり、少しの霜被害もあり、
強風で倒伏したりといったことで納まればまだ良いようなのか。
まあ、自然災害とは戦わず、共存するという、
これまで通りの気持ちと対応でいきたいですね。


最後に、こちらは被覆前のホワイトアスパラ用二重ハウス。
今年は何だかホワイトアスパラの人気が高いのは、なにかあったのだろうか。

全国的に前年比増収で北上しているアスパラ前線。
北海道も間もなく本番です!