2014年12月27日土曜日

問題提起

ちょっと問題提起。


美唄を中心に行なわれている国営の農地基盤整備事業、
美唄農業衰退に拍車をかける怖れがあります。
メリットとしては、ひと区画が大きくなること、暗渠工事によって
水捌けを良くするだけではなく干ばつ時に給水もできること、
表土を均すために土が均質化する、などあります。

ところが、ブルで踏みならすためにできた土地は耕盤もできあがっており、
所有面積は農道や農業用水設備のために1割減になること、
客土した土が養分が少なくて青粘土も混じっているという悪性ということ。

当初の話とは全然違う土地ができあがっています。
期成会を作って大きな面積を確保しなければならないし、
市の協力も得ているし、諸事情あるのはわかりますが、
約束を果たしてもらわないと困りますね。


もうひとつ。
美唄市が生ごみをたい肥化する施設を作ってます。
できたたい肥を農家に配るとか。
これはとても危険です。
なぜなら、たぶんまともなたい肥ができないから。
家庭用ごみは、発酵に時間も資材も必要になりますが、
それを殆どの業者は甘く見ている設計をするからです。
見込みよりも膨大なコストがかかるために、改善はされず、
知らない農家がそのコンポストを使う。
そうすると病気が蔓延し、飛散して地域が病気だらけ、
なんてことは容易に起こり得ます。
コンポストについては、毎回しっかりと栄養分を
調査してほしいと思います。

これは嫌がられても美唄と農家に訴えようと思ってます。

一年の振り返り

今年も一年、ありがとうございました。

昨年のブログを見ると信じられないくらい、
まめに振り返っていますが、今年はざっくりと。

【お別れ】
3月に高校の友達が、7月に6年間お世話になったシェフが、
急逝されました。
親戚以外の近しい人間が亡くなったことで、死が身近になり、
今すべきことや限りある時間を意識するようになりました。

【農作業】
昨年同様の忙しさの中、毎年体力がついていると思います。
いや、体力がついたと言うより、力が抜けて、
踏ん張りどころがわかるようになったという感じ。
同時に、父と母の労働時間も減らせると良いのですが、
母は相変わらずの働きぶりで、父が少し減ったかな、というくらい。
父は5月上旬から中旬にかけては帯状疱疹で戦線離脱していたので、
年をとったんだなーと思わされます。

妻はDM・受注・伝票・出荷管理・請求など、事務作業をほぼ全てを
担当してくれました。
私が農作業に専念できるよう、食事や睡眠にも配慮してもらい、
外に出ることが仕事という価値観が抜けない両親にはわからない
部分で十分すぎるくらい支えてくれました。

【アスパラ】
低温湿害となった2011年から3年が経って、ようやく株が回復しました。
すなわち、味も収量も戻ってきました。
それでも欠株になった分はそのまま減収となり、
量は昨年から1割増、質はざっくり2割増くらい。
秋の天候と土の状態がとても良かったので、
2011年のような春の低温がなければ、豊作が予想されます。

9月にリトアニアに行った件、今後の作付が大きく変わる大きな旅でした。

営業は12月に大かた行いまして、変わりゆく市場をなんとなく
実感できるようになった、営業活動開始4年目です。

アスパラ定植40周年を迎え、BBQで沢山の皆さまにお越しいただきました。
支えられていることを実感させていただける、嬉しい会となりました。

【勉強】
土のこと、アスパラのこと、今年もそこそこ。
復習の方が多かったと思いますが、新たな技術もいくつか入ってきました。
基本は土です。絶対。
小説や実用書も、初心に返ったり、復習をメインにしました。
でも一番勉強になるのは、人に会って話を聞くことですね。
福島の旅はその典型例ですが、他にも充実した勉強会が多かった1年です。

【その他】
今年は昨年と大きな変化がなかったせいか、あまり浮かんできません。
一方では、お客様と農家のために在ろう、という自分の方向が
明確になったこともあり、どうしようかなー、という悩みではなく、
どの選択がベストか、と考える時間が増えたと思います。
いずれにしても、感謝に堪えない毎日を過ごさせていただきました。
引き続き、自分の成長と人の役に立つことを目指し、精進します。



ここからはいつものブログ。

土壌分析について法的規制が厳しくなりましたので、
測量士の資格を持たない民間企業が土壌分析結果を公開できなくなりました。
でも、この表。
公的機関は規制の範囲外と言うことで、お願いしました。
傾向と対策。
来年の施肥計画はもう少しあとになってからですね。



あるレストランの季刊誌に載せていただきました。
素敵ですよね、ほんt。



そういえば、ムスコ、この姿勢が好きです(笑)


みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。

2014年12月26日金曜日

アスパラの周辺

今年もあと僅かとなりました。
最近のアスパラに関連した気になることを少し。


種のもみ消し。

これまでブログに書いたと思っていましたが、
書いていませんでした。影響が大きいと考えたのかな?
うちがメインに植えているアスパラのウェルカムという品種。
種の品質が猛烈に劣化している、という現象についてです。

奇形苗だったり、生育が緩慢だったり。
美唄全体としてもウェルカムを推奨しているものの、
平成19年を境に、品質低下が見てとれます。
萌芽数が少ない、太さが細くなった、欠株が多いなどなど。
もちろん、感覚的なもののあるでしょう。
気候で考えると、平成23年に大冷害があったのですが、
それ以前は良好だったため、平成21年22年あたりで
品質が低下するということは考えにくいのです。

今回はうちの農園でもハウス内に植えた1200株のうち、
180株(15%!!)が奇形株で植替えとなる事態。
当然、サカタのタネに問い合わせます。
農協がすべきなのですが、種屋に強く言えない慣習も許せません。
聞くだけ聞いて、結局補償金のような形でお金をもらいましたが、
そんなんで解決になるのか、と怒り心頭の私。
父はウェルカムを使いたがっていますが、私は止めたい。
バイトルで代用できると思ってます。

もちろん、九州では変動がないことを考えると、
こちらの管理不行き届きや
気象条件に合わないということも考えられます。
尚、アスパラの種は露地で成果が出るまで5年はかかりますので、
責任を種の品質だけに断定できないのが事実です。


基盤整備後の土壌。

客土してきた土が最悪、という話です。
基盤整備事業で、土地の区画を変えて暗渠工事をする、
だけではなく、作土層をはがして客土(土を運び入れること)します。
アスパラの作土層は40cmあったために、40cmはがして、
10cmの粘土を客土して再び整地します。
その際に持ってきた粘土が栄養分の少ない粘土で、
ブルで踏み固めるもんだから整地の時点で耕盤ができています。

これではアスパラのみならず、他の作物も育ちません。

今年8月に工事が終わったのですが、
すぐにプラソイラで下の泥炭層から土を引っ張り上げました。
またアスパラ新植予定地には牛糞麦わら堆肥と籾殻堆肥を投入。
細かくプラソイラを入れたおかげで何とか水捌けは改善されました。
栄養価は、まあ自分で改善させるしかないですね。

工事の事前説明では、客土する土も土壌分析して、
提示して了承もらってから入れます、と言っていたが、
やったのかな?
期成会の責任者がOKしたら終わりなら、その責任者がまぬけなのか。
いずれにしても、もうやってしまったし、基盤整備はもう
8年前からやっているので、、私が入って理解できる余地がないほど、
数々の口約束や慣習からのルール決めがあります。
あとは土をできる限り良くすることに尽力します。

基盤整備で10aあたり6万円の負担をするほか、
堆肥やプラソイラなどでさらに10aあたり10万円以上かかります。
これが農家のためになる基盤整備なのか?(笑)
面積をまとめないと国営事業にならない、といって
経営難の農家までまとめてしまうことが、
本当に自治体が推すべき事業なのか?
問いかけは無数にありますが、ここに書くことで留めます。


最近の読書。
左上の「がんばると迷惑な人」、面白いです。
日本がいかに頑張ることに重きを置いているか、
上司がいかに自分の価値観を強要しているか、
人事制度の間違いが個人の楽しみや企業の成長を妨げているか、
などなど、面白い切り口から語られています。


こちら、かの上原農園(埼玉県)からいただいた
けんちんセットで作ったけんちん汁。
里芋もさることながら、ごぼう、にんじん、ネギ、
どれも最高に美味かったです。


あと5日のうちに、年賀状ができるだろうか。
今日もお出かけ予定、来客や飲み会などなど・・・

2014年12月25日木曜日

いつものクリスマス

サンタさんを信じている子どもたち。
毎年大喜びです。

これは私へのプレゼント。
なんたって、右奥は必需品です。

先日、積水ハウス札幌支店のOB会に呼んでいただきました。
在籍4年半というのはかなり短い方なので、影が薄いです(笑)
改めて、いい会社だなー、と思います。
会社のために仕事するだけで会社にいられることは、
価値観さえ合えば、本当に素晴らしいとです。
僕には合わなかっただけです(笑)


上原農園から、いつもの里芋が、
他の土モノとともにやってきました!
種とり50年。
それだけで味がどうでも美味く感じちゃいますが、
実際に素晴らしい味です。
広めたいのですが、販路は地元スーパーのみ。
埼玉県入間市近郊のみなさん、是非お買い求めください!


先日行ったクリスマス会。
歌うたったり、
帽子かぶったり、
手巻寿司食べたり、幸せそうな子どもたち。
ほんと、いい時間です。


ムスメが、スキーデビューしました。
こんなに子どもっぽくない格好ですが、
滑るのはやはり子ども。
力がないと難しいですね。
お父さん怖いからもう行きたくない、と…。
これが本当の難しさ!


習い事も順調。
走り回るムスコは、サッカー始めて4カ月。
なんとなくドリブルっぽくなりましたが、
ルールや練習での決めごとが理解できないみたい。

外で遊ぶ時はルールなんてないから、
もう楽しくて仕方ないみたいですけどね。

忘年会もさほどない年末。
今年の総括をしたいが、アスパラ関係の事務処理が重なってて、現実逃避中でした。

2014年12月16日火曜日

福島の今

福島、というより、原発の影響で避難区域に指定されてる、
もしくは指定されていた地域の今、です。

農家のこせがれネットワーク北海道(REFARM北海道)から
派生した、農家の勉強会グループ北海道Rootsによる
冬の研修で、原発の影響の今を見に行きました。
アトンドしていただいた現地の方には、心から感謝です。

一泊二日の行程で、津波被災地区、復旧未着手の地区、
原発による避難指示地区、除染作業などなどを見せていただき、
住民と研究機関との間に入って農地再生に向けた
放射性物質の現状報告などをされいていた方の
講演を聞かせていただくと言う充実した内容でした。

農地の除染作業の一工程で、表土や枯葉などを黒いフレコンバックに
入れて仮置きしている状態です。

住宅の前にも。

住宅街とフレコン。何度も見ました。

こちら、富岡駅の周辺。6号線を通ってこちらへ。
新しい駅舎と思われるものが奥に見えます。
手前の支柱もそうですが、この背後にある廃墟は
写真もとれないくらいの手つかずの状況でした。




こちらは、農地の除染中。
除染と言っても、表土5cm削って、客土10cm、という作業。

除染物質仮置き場にて。
今回の参加メンバーは8人。
自由参加だし、農家の規模や理念はバラバラです。
ようは、小規模有機農家、大規模畑作農家、
大規模野菜農家、小規模野菜農家、などなど、
一般的には交流が少ないと思われているメンバーです。
そんなくだらないことにこだわらない、勉強熱心な変態です(笑)

それぞれが感じたことは、それぞれだと思います。
だれも強要しないし、偏見を捨てるために見に来たんだから。
それが言わなくてもわかるメンバー。
本当に優秀。というより、こうあってほしい。


私が感じたこと、気付いたことを、少し書きます。
あくまで私見なので、強要する訳でもないし、
ご意見はいただけると嬉しいです。

驚いたことは、放射性物質が自然減する、ということです。
自然減と言っても、植物に取り込まれてしまった場合もあるだろうし、
水で土と一緒に運ばれたり、消えたわけではないと思います。
しかし、住民による放射線の測定でも、3年半のうちに8割減少しています。

広島・長崎での原爆投下、世界中で核実験を行っていた時の放射線飛散量、
ビキニ環礁の核実験による被曝などありますが、そういうことだろう、と。
ただし、ゼロにはなっていないので、低量の放射線を被曝し続けることによる
人体への影響については少なくともあると思いますので、
これは世界的な調査を続けて公表してもらいたいと思います。

ちなみに放射性物質、放射線、放射能、についてのわかりやすい説明。
放射性物質はウルトラマン、放射線はスペシウム光線、放射能は各ウルトラ兄弟の能力、です。

放射性物質に関する発表では、出るものと出ないものがあります。
被災者感情をあおったり、いじめにつながるようなものは出さないと言う、
あまりにもあいまいな基準で判断されているようです。
避難指示によって災害を被った人、避難地区ではないけど
危険性から災害を被った人、避難地区外で風評被害を被っている人・・・。
枚挙に暇がありませんが、誰が悲惨とかいい思いしてるとか、
そういう争いについては、我々が関与すべきではないと思ってます。
ですが、どういう状態にあるか、については知っておいてよかったと思ってます。

人体に影響ある放射線量については、公表数値はあります。
でも個人差あるでしょう。
これまで農作物について持っていた考えは、少し変わりました。
人体に影響はありますが、農作物が吸収している量は極僅かで、
農薬と同じような基準で考えるなら本当に微量で、
体内に入っても排出される程度の量であれば問題ないのではないか、と。
農薬や放射性物質が少しでも入っていれば有毒、と信じるならば
もうそれを食べた時点で精神的に有毒なので、身体もそういう反応をするでしょうが、
少なくとも肝臓の機能で処理できる量であれば、私は食べてもいいかな、と。

除染については、セシウムの粘土への吸着の仕方も興味深かったです。
つまり除染方法としても様々な方法がある中で、予算含めて
どの手段をとるか、難しく複雑な問題が山積みのようです。
耕起方法や農法などなど、目で見えること見えないこと…。

地域によってはいまだに放射線量が高止まりしている地域もあるようです。
除染をこまめに続けることが良いのか、
地域であるていど見切りをつけて補償問題にするのか、
歴史ある地区、先祖代々の土地、生活保障、
隣町との関係、それぞれ違う本音と建前。

とにかく話を聞く。
コミュニケーションは、質よりも数。
これについては異論がないところです。
経済よりも優先させるところは、そう多くないと思います。
他人事と思えないことを、現地に行き、現地で話を聞くことで
より身近に感じることができたとともに、
伝える側に立つということがいかに難しいかも痛感してます。
当然、SNSは無力です。facebookはやってますが、書けません。
かといって、対面でどこまで話せるか、わかりません。
認識を変えてくれて、考える機会を与えてくれた研修会に、感謝。
今はそれだけです。

2014年12月14日日曜日

営業へ

毎年行っている冬季の営業も、今回で4回目になります。
続けていると、見えてくること、新たに気付くこと、色々あります。

凡人の営業は、技術よりも数、トークよりも度胸、説明よりも相互理解、です。
動いて聞いて理解して、自分の方向が見えてきます。

農業技術もそうですが、営業の方法も公開してもいいんじゃないか、
と思い、少し書いてみます。
長いので、興味ない方は飛ばしてください。

--------------------------

営業は農業を続けるという目的の中の手段のひとつでしかありません。
生産性を上げる、品目を変える、秀品率を上げる、
作付面積を増やす、などと同じく、営農目的の手段です。

そして、営農の手段もしくは戦略として営業を選択したならば、
その営業にも目的はあります。
良く聞く、聞こえる声は、「たくさんの人に食べてほしいから」。
それは外向きの理由です。
だって、それならただでどんどんばら撒けばいい。

営農のために必要な目的があります。
よく言われるのは、高く売りたいから。
あと、農協(市場、系統とか)に販売を任せておけないから。
さらに、有名になりたいから。
ブランディングのため、とか。

何のために営業するのか、は大事なことです。
それが決まってないと、営業しているが手続きが面倒とか、
せっかく営業しても安い値段でしか売れないとか、
業者はわがままだから付き合ってられない、とかいう文句しか出ません。

色々な方向への営業コンサルはできるので、それは書きません。
ここでは、うちやま農園の営業、もしくは私個人が考える
営農のための営業について書きます。

------------------

なぜ営業するの?
うちやま農園は、農業を続けるためです。
第一優先で且つ毎年努力を怠らない最重要項目は、
アスパラの収量と品質を上げること、です。
コレ抜きに営業は無意味だと思っています。

作れてこその営業、自信もって売れるからこその商品、
農業は、収量×価格=売上もしくは利益、なのです。
補助金は雑収入として考えるべきで、単純化した方が考えやすい。

アスパラは補助金の対象ではないために、沢山取るしかありません。
しかし、沢山とっても売値が低いと、赤字になってしまいます。
市場価格に左右されることが、経営リスクのひとつです。
自分で売ることは、売値を決められるということです。
どれだけとれば、どれだけ売上があがる、と計算が立つことで、
適正な人員配分や経営資源の投資が可能となります。

実は6年前までは産地づくり交付金として、アスパラは
水田転作であれば8万円/10aもらえていました。
うちやま農園では200万円、作るだけでもらえていました。
これが市場での価格変動リスクへの保険でもありましたので、
ずーっと農協出荷を進めて参りました。
しかし4年前の不作時、市場価格が減少を補うほどはつかず大赤字、
3年前の豊作時には市場価格が大幅下落したために赤字、でした。
ただでもらうと言うことは、経費もかからないお金なので、
当然ですが200万円の利益が丸々なくなるということは苦しいことです。

このようなリスクに対応するには、契約栽培がいいと思ってます。
といっても、これはここ3年で確信したこと。
当初は違うことを考えてました。
①知名度向上。いいところに出して、知名度から販売につなげたい。
②ユーザーの声を、できれば批判などをもらいたい。批判を商品に生かしたい。
この2つは、ともにある程度実現しましたが、満足はできませんでした。
雑誌やネットで有名なお店に飛び込み営業して使ってもらい、
アスパラについてもあーだこーだと意見をいただくことができました。

ところが、だんだんわかってきたことがあります。
①有名なお店にアスパラを使ってもらっても、知名度があるわけではない。
もっと言うと、使ってもらっているもののうちのアスパラ、
私と言う人間の価値は何もかわらない。
②商品作りに生かせるものの、それよりもお互いの会社の
在り方や価値を認めあえる関係の方が心地よいと感じる。
つまりは、美味しいと言う価値は、その人それぞれであること、
そして、美味しさと客単価はイコールにならないこと、
そして、うちのアスパラを使うかどうかはお店としての美味しさや価格ではなく、
使いたいアスパラかどうかだけである、ということに気付き始めました。

これは色々な人の意見を聞き、断れるのが前提で飛びこみ営業をしたり、
買ってくれる方からその理由を聞いたり、情報交換しながら販売への
知恵を小売店に絞ってもらったりしながら、ようやく見えてきたことです。

うちやま農園が主に営業したのは、有名レストラン。
そして八百屋さんや量販店さん。
そのうちfacebookでオープンに紹介してくださいと言ったところ、
それを応援してくる方々に数店紹介していただき、
現在の基盤に至ってます。
ざっくりですが、自分でつながったのは量で言うと2割くらい、
数では1/3くらいで、ほとんどが紹介でつながりました。

今では、うちのアスパラについて文句を言われても、
他の農家のアスパラの方が言われても、
アスパラに価値を感じてもらわなくても、何も気になりません。
価値観の合う方々、もしくはうちやま農園のアスパラを好んでくれる
方々にお会いできれば嬉しいし、お会いできないのであれば
機会が少ないか、私の人間的な魅力が足りないからだ、と思えます。
飛び込んでもたいした話をするわけではありません。
うちの特徴である歴史と露地栽培について話し、
あとは商売の姿勢や人間は話してて勝手に出ていると思ってます。
そこで商売になるかどうかは、相手次第、先方次第です。

長くなりましたが、こんな営業してます。
お願いします買ってください、は一度も言ったことはありません。
サラリーマンの時も、言ったことはありません。
営業って、先方の課題を解決するか、先方の力になるか、
それを探って提案する仕事です。
決して買ってもらうのが仕事じゃないんです。

---------------


今回は久松農園の久松さんに同行していただき、丸一日、
既存取引先挨拶や新規ニーズ調査で二日、東京に行きました。

その一部を紹介。

こちらは東京変態八百屋の会のひとり、「三茶ファーム」千田さんと。

こちらは東京西部でスーパーを経営している福島屋さんのバイヤーさんと。

ともに久松さんに紹介していただき、一緒に営業回りました。
この営業同行は2年ぶり2回目です。
大好きな農家と営業しながら農業論をかわすという贅沢な時間です。
そしてチーム久松農園のスタッフのみなさんと。
ミーティングにも参加させていただき、有意義な時間を過ごしました。


こちらは同じく変態八百屋の野村さんのお店「やさいやふうど」。
さらに安井さんのお店「こだわり商店」。

アポイントもとらなかったのですが、温かく迎えていただきました。
2年3年とつきあううちに、同士になっていく感覚は、また格別です。
訪問は迷惑だったでしょうけど…。


これ以外に、紹介で3件の飲食店さんとつながることができました。
そして飛び込み営業もまたやってきました。
まずは見積もりを、とか、太いのしか興味ない、とか、
3月からあるなら、とか、今回は散々な結果でした。
しかしこれもニーズです。
私がそれに合わせるかは、私の自由。
こういうニーズがあって、誰もがうちのアスパラを求めていないと、
頭でわかるよりも体験できる時間が私には価値です。


営業の話、聞きたい方にはいくらでも話します。
今回はこの辺でおわります。
また2月に愛知に営業行きますw

2014年12月4日木曜日

退院&安静

11/27-12/1入院、退院後は3日間、妻からの安静命令。
ようやく4日から現場復帰です。

さっそく一泊の勉強会に参加するのです…。


入院中に読んだ本を紹介。

右上読了。
「土壌学の基礎」
就農初年に買った本で、がっちり勉強しようと思って
4,000円奮発したのを覚えてます。
内容は「学」とつくだけあって、現場よりも基本的な土のことを書いてあります。
読むの3度目。基本をおさらい。
腐植、窒素、粘土あたりを重点的に見直しました。
せっかくリトアニアで泥炭のことを勉強したので、そこを強めとこうかと。

右下読了。
「充たされざる者」
長いよ、900p超えは(笑)
最後の200pでスッキリするけど、充たされざる者の正体は永遠に在り続け、
ある種の真理というか。読むにはまだ見識不足だったかな。
書いてないことから主想を読み取ると言う・・・。

左上、読了。
「小さくて強い農業をつくる」
社会のせいにしない、今と未来、お客さんと向き合えること、などの共感。
はかどった感、底付き感、フシミ、などのキャッチー。
久松さんは話をしないと魅力が伝わらないと思うけど、
いつもヒントをたくさんくれるんですよね。
これを読んで、30ha作る農家が
「人に農作物売ってもらって何が経営だ」
と自ら商品価値を作り、営業する姿をなぜか急に思い出しました。

左下、読了。
「ファシリテーションの教科書」
残念ながらその機会はまだ訪れていません(笑)
でも、物事をすすめる、意思決定と課題解決のための
アプローチが、会議ではなくても応用効く方法が多数出ています。
なぜ現状がすすまないか、その時どうやってい方向にもっていくか、
ロジカルシンキングってこういう方法に活かしてこそだし、
勉強を重ねてきたお陰で少しずつ分かってきたぞ、という嬉しさも。
これは再読したい教科書です。

あとは、ダイヤモンドがまた東スポ的な面白い内容です。
話題作りにはいいし、JAや農家の既得権がよくわかると思いますが、
解体がいい、再生に向かえる、という論拠のロジックは、はだはだ残念。