2024年2月23日金曜日

アスパラ生産組合の役員、おしまい

※文章ばかりで長いので、ご注意ください。そして、個人としての感想です。読み流してください。

美唄グリーンアスパラ生産組合は、昨年で50周年。

父はその中で20年くらい組合長として運営側で
活動しながら、アスパラの生産を続けました。

私が戻ってきた16年前に、父は組合長を退任しました。
私が運営側として、加入したのは10年前、父の退任から6年後。
自分で言うのもなんですが、当然、次期組合長候補です。
しかし、その時考えていたのは、うちのこんな経営状況で
農家を続けられるのか?と言うこと。

外に対して少しいい格好する父は、家族に厳しく外に甘い。
家では怒鳴り散らしても、外では笑顔。
だから、経営状況が悪化していることを外の人はあまり知らない。
先輩に相談しても、組合としてもっと生産を頑張るしかない、と。
いくら生産しても、市場に出荷するのがメインの生産組合では、
人件費すら出ないくらいの赤字で生産を続けることになっていたのです。

現在では、担当者の努力と全体的なアスパラの付加価値向上で
ある程度は解消されていますが、あくまで「ある程度」。

役員として4年務めた時、翌年の大幅減収が見えていたので、
このままでは破産してしまうと思い、役員を辞めて自分で
付加価値を売ることに専念することにしました。
当時の役員さんは、それを理解して助けてくれました。
それが功を奏し、なんとか潰れずに済みました。
そして2年空いて2020年、再度役員の就任依頼。

衰退するアスパラ組合や生産者の疲弊を目の当たりにしていたので、
美唄のために、何より生産者のために、カムバックしました。
ところが、就任当日。
私が農協に出荷せずに自分でアスパラを売っていることに対して、
農協職員と組合員から、猛烈な責めを受けることになりました。
うちのせいで美唄のアスパラがダメになっている責任をどうとるのか、と。
俺だけじゃなく、農協も農家もみんな思ってるよ、と。
農協に出荷しないことで、猛烈な攻撃を受けるのは、なぜでしょう。
うちは潰れてでも農協に出荷すべきだと言う根拠はなんでしょう。
ほとんどの農家が、価格を見て農協か仲卸か出荷を決めている時代でも。
独占禁止法があるのに。

収穫量が多い時に選果場に持ち込むと、嫌な顔されるのです。
一生懸命作ったものが市場で余されているんです。
米農家は自分で売ってもいいのに、アスパラだけ、なぜ。
農協のために出荷しても、うちが潰れそうな時に融資すらしてくれないのです。

逆に、お客さんに直接送ると、
喜んだ声が返ってきます。
バイヤーからも喜びの声が返ってきます。
美味しいアスパラを評価してくれるので、もっと美味しくしようと頑張れます。
仲間が増えます。
競争相手も増えますが、食べる人のことを真剣に考えるのが生き甲斐になるのです。

私は私で、アスパラをつくり続けたいし、お客さんに喜んでもらいたい。
その仕事にやりがいを感じる中で、
それでも農協にはお世話になっているから、と思っていましたので、
農家のために、技術や情報をどんどん提供していこう。
でもには、私を敵視する人たちには、協力できない。
後半の4年間は、私を推して戻してくれた人のため、真剣にアスパラを
つくりたい農家のために、尽くしたつもりです。
もちろん、うちのアスパラ作りには手を抜かずに。

役員として役に立てたかどうかはわかりませんが、
私の意見・主張ははっきり言えました。
農協は農家のために努力すべきだし、農家は生産において妥協すべきではないのです。
これが基本だと思います。
どちらもサボらず信頼関係ができないと、破綻します。
現状では農家と農協の関係は破綻に近いですから。
でも、農協はまだまだ貢献していけると思いますし、
優秀な職員もたくさんいます。
日本と同じ。
一部のバカな権力者のおかげで、優秀な人が実力を発揮できていない。
この構図、どうにかしたい。
自立せよ、農家という名の自営業者!
経営者の自覚と、生産者の自覚を忘れてはいけない!
組織ではなく人を信用して農家をやろう。

ということで、今後もアスパラ農家のサポートは全力でやりますが、
生産組合の役員には今後もならないと思います。
支えてくれた方々、推してくれた方々、
本気で文句言ってきた方々、
こっそり排除しようとした方々、ありがとうございます。
私は、待っていてくれる方々のために、
真剣にアスパラを作っていたいだけなのです。

0 件のコメント: