2017年3月1日水曜日

刈取り時期論争(積雪地域限定)

この記事、2016/11/4に書こうとして、
そのままにしてました。

写真がないので、雑な説明になってしまいますが、
オンシーズンになる前に書いてしまいます。
また、刈り取りをしない、ということは論外として書きます。
うちも刈り取りをしない畑はたくさんありますが、
基本は「する」とするべきです。

アスパラの養分転流は、萌芽が終わってから2ヶ月ほど。
これがアスパラ農家のほぼ常識だと思います。

ところが、積雪地域では萌芽終了後、2ヶ月もしないうちに、
降雪によってアスパラが倒されてしまいます。
倒されたらそこで転流は終了。
降雪量も5cmは大丈夫だが10cmでは倒伏。
これ、事前に予想なんてできないですよね?

面積が小さい人は、1日頑張ればなんとかなると思います。
ところがハウスをたくさん管理したり、
露地面積が大きい人は、片付けに1週間以上を要すため、
雪予報とにらめっこするんです。

刈り取りをしても収量に大きな差はでない、と
最近は言われるようになりました。
正確には、降雪で倒伏しても、
転流適温を下回る温度に2週間くらい置いておいても、
根中糖度や根の伸長にさほど変化はない、
というところではないでしょうか。

ハウス栽培では、多少の降雪は耐えられますから、
収穫終了から1ヶ月もすれば、北海道では最高気温が
10度も下回るようになりますので、刈り取りOKでしょう。
また、少しでも転流させたいのであれば、2ヶ月も置けましょう。
ところが露地はそうはいきません。
立茎に使っている杭が折れてしまっては大損害です。
かといって早すぎる刈り取りはもったいない。
悩みますよね。
でも、こんな悩みよりも、病気の有無の方が大事なんです。
病気が出てない畑は、早く刈ったって来年はとれます。
病気が多発する畑も、病斑が広がる前に早く刈った方がいいかもしれません。
養分転流には、病斑が少ないことが前提となる話です。


当農園の同一環境ハウス内で試験したところ、
たとえ1ヶ月でも、10-15℃の転流適温を維持した方が、
養分転流スピードは速いようです。
九州では側窓や褄面を全開放して、となるようですが、
北海道では全開放すると温度が低すぎて転流が進みにくい
のではないでしょうか。

転流は降霜で促進されますが、それは通常よりは促進される、
という意味だと思われます。
適温で光合成をしている状態の方が、
降霜よりも転流にすぐれていると考えます。
たしかに、降霜は組織が枯死して黄化するだけですから、
生命の危機感から促進されるだけかもしれません。

一方では、病気が多発してしまった圃場では、
一概に上記のことは当てはまりません。
なぜなら、病斑によって光合成量は大きく落ちているからです。
その状況下では、降霜の効果は大きいでしょう。

ハウスの温度管理は細かい変更を求められるので、
「適温を維持」すること自体が困難なのはわかります。
そこは、お金がかかりますが、温度感知の自動昇降機を使いましょう。
効果のほどは、計り知れません。
春と秋、適温を自動で保ってくれるなんて、夢のようではありませんか?
だいたい、16万円/棟です。

露地は、病気を出さないことが第一なので、
病気が多発した畑はどのみち減収傾向となります。

九州のように、養分転流には長く置いた方が良いに決まってます。
北海道では、病気を出さないことを第一目標に、
無理のない範囲で長く畑に置き、
雪予報がでたら、変に粘らずに片付けてしまうことがいいと思います。

4 件のコメント:

石井建一 さんのコメント...

露地では、倒れたら片付けるでは遅い理由は、病気が短期間に広がってしまうのでしょうか?それとも杭の問題だけでしょうか?

ひろし さんのコメント...

石井さん

こんにちは。
倒伏による損害は、杭以外にも、倒伏による(僅かですが)鱗芽群の損傷、罹病した擬葉や茎の落下により除去困難になること(春の焼却よりも秋の持ち出しの方が確実)、雪解けから萌芽まで3週間の時もあるので萌芽準備作業が追いつかない、倒伏したアスパラが鼠の巣になりやすく根を齧られる、などがあります。

石井建一 さんのコメント...

有難う御座います。何を目的にしているのか見た目ではわからない試行錯誤、大変勉強になります。何度も読み返していました。

石井建一 さんのコメント...

有難う御座います。何を目的にしているのか見た目ではわからない試行錯誤、大変勉強になります。何度も読み返していました。