2016年1月24日日曜日

アスパラガス栽培、10年の法則

こんな内容に関しては、「何でお前が言うんだ」とか
「全てじゃなし」とか「偉そう」とか、意見があると思います。
でも、アスパラ生産者のためになれば、という思いで書きます。


アスパラガスは、10年が寿命と言われてるし、
資産の償却も11年なので、この辺りが軌道に乗るか否かの境目だと思います。

10年くらいまでは、アスパラ自体の力で成長を続けるようなものなので、
病気も少なく肥料吸収の緩衝能もよく働きます。
つまり、10年くらいならアスパラの力で生きていけます。
そしてアスパラの原生種や昔に植えられたものは、
数十年経っても生き残っているし、
収量もさほど落ちずに収穫されているものもあります。


個人農家の場合は、これまでの良かった収量や収益が、徐々に覆り始めます。
ここでは、アスパラは10年はもつ作物だと認め直すこと、
自分はアスパラに適正なことをしていなかったかもしれない、と疑うことが大事です。


農協の生産部会などの場合、10年前の圃場と3年前の圃場が同時に進行し、
同じように集荷されて、農協としての総集荷数で数字が出る。
そのため、農家個人の把握の有無はあるが、
農協としては数字がさほど落ちていなければ問題は表面化しにくく、
把握が遅れる事で対策も遅れます。


発見の遅れ、反省の遅れも要因もあると思いますが、
要は10年経ったあたりから、これまでやってきたことが
アスパラの維持に適切な処置だったか、ということが表面化します。
その状況を受け入れて、技術を基本から見直してください。
それしかありません。
思うに、改植は最終手段です。
その前に技術の見直しをしないと繰り返すことになります。


散見されるのは、防除の手抜き、肥料のやりすぎ、
養分バラスの偏り、土壌の水捌け改善作業の遅れなどです。
どれも個人の勝手な見解から生まれています。
植物は喋りませんので、勝手な解釈はNGです。


経営能力、栽培の上手い下手ありますが、現状を「晒せる事」が、特に大事だと思います。
誰が言い出したか「病気と借金は隠すと無くならない」、言い得て妙です。


ここを乗り切って、20年稼げるアスパラ農家をつくることが、
アスパラ栽培農家を増やすポイントではないか、とも思います。
実践できてるのか?と思われる方もいるでしょう。
できている畑もあるし、駄目な畑もあります。
でも親父が経験してきたことを無駄にしないことのひとつに、
経験をアウトプットする、ということも大事です。
読んだ皆さん、楽しいアスパラ栽培にようこそ。

2016年1月10日日曜日

目指す人?

この人のようになりたい、とか、
目指す人はこの人です、とか、
全くないです。

なりたい自分の像はなんとなくありますが、
「あの人」のように対象はないのです。

尊敬する人はいますが、
その人のようになりたいとは思わない。
あこがれる経営はありますが、
全くそのようになりたいわけではない。

自分と向き合えて、自分で描いた将来に向かう、
という作業ができていると思うので、
メンターなんて全く必要ないですし。

環境を羨ましく思うことはありますが、
その環境にないことを嘆くことはないし、
同じ環境を求めることもないです。

自分に与えられた環境と、
自分の行動からめぐってきた環境と、
自分が信じてきたことなどが相まって、
未来を切り開いていけることが、
人生の楽しさだし、自分の存在意義なのでは、とも思います。

でも、人の意見はありがたい。
そういう自分を客観視してくれているから。
だから人は大事です。
最高の財産です。

2016年1月1日金曜日

2015さようなら、2016よろしく

当年も変化に富んだ一年でした。
長文は最後に書きました。

ムスコは新しい幼稚園に行って
創作意欲、探究心、独立心が旺盛になったと思います。

11月にこの状態でも、

12月上旬にはここまで雪が減り、なんと少ないことかと
思っておりましたが、やはり帳尻は合うようです。


12/19にははこんな感じです。

このあとされに降り、アスパラの畝が見えないほどまで、
つまり例年通りになりました。

12/14、お世話になったお店がリニューアルオープンしたので、
店主とお話に行ったときの一枚。
ジャンルを替え、ターゲットを替え、考えを替えたようです。
年齢にあった商売をしつつも覚悟は決める。
恐怖はあれど冒険を厭わない。
そんなステキな小割さんとじっくり話せました。


12/16-17は、友人の久松さんが業務改善のコンサルティングに
北海道に来てくれました。
ムスコは嬉しくて絵を描いたのに、忘れていったので写真で追走。

12/18は、寒地高収益施設アスパラガス栽培の第二回セミナーに、
主催者側として参加。
予行演習中の写真です。
15分ほどの発表を行い、パネルディスカッションにも並びました。
200名ほどの参加があり、情報交換会での刺激は、
格別なものがありました。

そして12/19-20は大人の遠足。
今年10月にお世話になった会の忘年会に一泊で参加。
大人6人、100%メガネで帯広を往復する楽しい旅でした。


クリスマス、ムスコがサンタクロースにお願いしたものは、
なんと10年前の「魔法戦隊マジレンジャー」のおもちゃ。
レゴもついてきてて、発狂するほど喜んでました。
流行りものではなく、自分が楽しいと思うものを欲しがる姿勢がステキ。

ムスメは冬休みに入って勉強中。
早く宿題を片付けて、いっぱいスキーに行きましょう!

外でももちろん沢山遊びます^^

冬は外出も一緒が多いです。

久しぶりに実用書を読むことに。
なんと、ヘンリー・ミンツバーグです。
10年前にちょっと異質な論文を各学者をみつけ、
この人のことを背伸びして友人と語り合ってたのを
思い出し、衝動買いです。
経済学者でありながら、
経済主導社会に疑問を唱えてます。

12/30には、今シーズン初スキー。
ムスメは昨年のスキースクールが奏効して、
一人でリフトに乗ったり滑ってきたり、できるようになりました。
ムスコも少し根性がついたようで、我慢して付き合ってくれます(笑)

友人を発見し、みんなでわいわいすべることになり、
もうそれは楽しい限りです。


さて、新年が明けました。
この投稿は昨年書くつもりでしたが、ついつい・・・。


2015年、アスパラは面積が減る中で不安なスタートでしたが、
春の天候が良かったおかげで、収穫量はほぼ昨年並みを維持しました。
(といっても、春の天候が悪かったという人がたくさんいます。
これは、天候が必ずしも良くなかったものの、
急激に伸びることが少なかったので、
正品率が良くなったことから、収支の面でよかった、ということです。)

夏の天候が思わしくなかったこと、肥料が足りなかったこと、
パートさんに仕事を任せすぎたことなどから、
収穫量は目標までは届きませんでしたが、
品質や出荷を考えても80点の一年だったと思います。

新たな投資も多い歳でした。
新植が約7万株ありました。
春のアスパラのピーク時に畑をつくり定植する、
という激しい仕事をこなしましたが、
父が現役でいられるお陰でもあります。
これをピークに仕事のペースを落としてもらう予定ですが、
平成30年か31年に基盤整備により今のアスパラ畑4haが
何の保証もなく一気になくなってしまうので、
その時のための大量定植でした。

永年性の作物を国営基盤整備事業によって
周囲との関係性から潰さざるを得ない状況は、
真摯に農業に向き合う人には厳しいことでしたが、
これを転機と捕らえ、前向きに対処しました。
補助もいくらかもらい、3年後のための、
10年後、20年後のため、できることを
うまくこなせたと思います。
本当に、運が良い。

経営者として考えることの一つに、結果への因果がある。
結果には原因がつきものだが、原因はひとつではないため、
成功するか失敗するかは、運だと私は考える。
良い結果を出すための最善を尽くすが、
それでも駄目な時はあるだろうと思っている。
必ず成功する、というと、うそ臭いコンサルティングや
講演者を思い出してならない。
失敗することもあるのだ。
大事なのは、最善を尽くすこと。
天気や政治に左右させることもあるが、
その中でも最善はある。
変化を言い訳にしては、経営者とは言えない。

2016年からは、経営者になります。
経営者としての勉強は10年以上前からしていますが、
当事者となるのと第三者的に経営を見るのとでは
大きく違うと思います。
少し怖いです。

これまでしてきた事が返ってきたり、
これまで築いたものが与えてくれたり、
求めてきたものに逃げられたり追いつけたり。
色々な状況が待ち受けてると思いますが、
自分の成長と人の役に立つことという
私の初志を貫徹して、
お客様のために、農家のために、ともに在る形を探りたいです。

特段の年頭所感もありません。
続いていることなので、日々が大事です。
それでも、年末年始はだらけようと思います。