2020年12月30日水曜日

種市先生

2020年4月、津別町の母方の祖母が亡くなりました。
小さいころから遊びに行ってかわいがってくれた、ばあちゃん。

仕事を抜け出せなくて葬儀には参列できなかったのですが、
11月にようやくお参りに行きました。
笑ってる顔しか思い出せない。
ゆっくり休みください。


12月には、恩師の種市先生が亡くなりました。
中学校の保健室の先生。
中学生のころ、クラス内の雰囲気が合わず、
休み時間のたびに保健室に遊びに行ってました。
(無視はされてても、たぶんいじめられてはいない)
家でも学校でも自分をうまく表現できない、
そんな思春期の僕の居場所を与えてくれてたんだと思います。

種市先生には、ほぼ誰もが怒られた経験があるというくらい、
生活態度に厳しい先生でした。
僕も一度。
先生に頼まれた掃除道具の片付けを、
僕がそれを承諾したのに、すぐに大人しいTくんに僕が委託したので、
「お前に頼んだんだろうが!もう頼まん!」と一喝。
自分が受けた仕事は自分でやるのが信頼だよな、と
今ではわかりますが、わからなかったんですかね、当時の僕は(笑)
ガンの闘病生活が大変だったと伺ってます。
何度か会いに来てくれて、嬉しかったです。
ゆっくりお休みください。


僕が教師になりたいと思ったきっかけの、
中学校の吉田先生はまだまだご健在で、
たまにアスパラを買いに来てくれてます。
あれほど生徒と親思いの先生がいるんだと、
今でもやってくれたことには恭敬というか、
感謝では言い表せない気持ちがあります。

仕事で、景色をつくる

景色10年、風景100年。
と、何かに書いてありました。

気色は短い周期で変えられるものだけど、
風景はもっと範囲が広く中長期的な変化によって
形成される、みたいな内容だった気がします。

今年は農地基盤整備事業があり、
我が家の半径500mの景色が変わりました。
主に土地の区画と道路。
写真は、新たに建てたハウスを西側から撮影。
雪であまりわかりませんね(笑)

そして、当農園もそれを機に、
経営基盤の作り直しをしています。
1つは、ハウス。
一度古いハウスを解体して、
生産・管理しやすいように建て直しています。
もう1つは作物。
アスパラは当然ですが、少しづつ変化していく予定です。
 いや、ここ5年だけでもけっこう変化してますね。



そんな景色や経営の変化は、大きな仕事量です。
支えてくれているのは、もちろんスタッフ。
今年は感染症拡大防止ため、全員での慰労会は行えませんでした。

景色を変えてしまう仕事は、機械もさることながら、
人の手もたくさん入っています。
それは、家族だけでは到底手の行き届かない膨大な量。
スタッフが一生懸命に働いてくれるおかげで、
うちやま農園は成り立ってます。
美味しいアスパラを作れる要因も、
手間が大きく関わっています。
手作業がアスパラを美味しくするわけではありませんが、
手作業なくして美味しいアスパラはできません。

景色や美味しいアスパラづくりだけではなく、
家庭のため、社会のために働いてくれるスタッフを、
尊敬しています。
今年のコロナ禍でも仕事をやりとげられて良かった。
また来年もよろしくお願いします。

2020年12月29日火曜日

2020年という記憶

冬が来ました!
外で子供たちが元気に遊ぶ姿こそ、
私にとっては冬を強く感じます。
コロナの自粛期間ですが、
感染対策をしつつ元気に活動すべきだと思います。
北海道の人が北海道を元気にすべきでしょう。
そこに本州や海外の人を頼るのは、もう少し後で。

6年生のムスメは、さすがに加わりません(笑)
でも、楽しそう。
そして干支も一回りして来年は中学生という、
そりゃあ僕も老けるよな、なんて。


この冬、山崎豊子デビューしました。
10年くらい我慢してましたが、
老眼も入ってきたので、読むことに。
二つの祖国。
この作品で、祖父のことを思い出すのはもちろん、
運命を自分で決めれる現代が恵まれていることを痛感。
過去の反省が薄くなることは仕方ないにしても、
今の状況の捉え方や、その人の考え方の根底にあるものを、
簡単に考えてしまっていることは私の反省です。
でも、本当にこの本を理解するには、僕は経験不足なんだと思います。
テレビで見てしまった「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」は
とりあえず後回しにして、
「女の勲章」「女系家族」「運命の人」、その他中編に読み耽ります。

冬の大仕事、年に一度のワックス掛けも終了。
何もしなくても時間は過ぎていきます。
できることしつつ、いつでも動じないように。


今年は雪が多いので、12月からスキー場は良いコンディション。
子供がいない時間に、友達と富良野スキー場へ。
5時間、新雪ではしゃいできました。

妻とプチ忘年会。
会食ができないので、さっと、ね。

今年は、2月くらいから始まった新型コロナウィルスによる混乱で、
色々と振り回された気がしてます。
幸いにも田舎で農業という隔離された環境なので、
感染リスクからは遠く、かつ、農作物に合わせた仕事なので、
売れようが売れまいが収穫やその他の世話はし続けなければなりません。
いい意味で騒音から離れて仕事に没頭できたのは幸せだったかもしれません。

この混乱で、世界が生まれ変わることはないと思いますが、
現在の経済優先の価値観や、人に無関心すぎる社会が、
少しでも優しくて思いやりのある社会に近付くような
価値観の再構成のきっかけになればいいなと願ってます。
僕の周りは、そういう変化を始めているような気がします。 


二つの祖国を読んでから、少しですが、
ものの見方というか、自分との向き合い方や
仕事や人に対しての考え方が変わった気がします。
自分の人生は自分に流されるというか、
主観的に取り組みつつも傍観するような感覚というか。
うまく言えませんが、人生を積み重ねていきたいです。

2020年12月10日木曜日

今年の冬

わざわざ「今年の」とつけたタイトル。
コロナ禍でいつもと違うのは、出張に行けないことです。

毎年冬期間は体休めと来季の計画やそのための勉強、
そしてアスパラ発送先への挨拶回りや新規営業を行っていました。

出張は、農家も同時に回って、見分を広める時間でもありました。
それができないのは、自分で勉強する時間を作らねばならないってことなのですが、
やはり刺激が足りないのであります。

最大限の予防をしつつ、共存していくしかないと考えているcovid-19。
SNSによって思考能力を奪われた我々にとって、
炎上とか批判が怖くて情報発信することや、
自分の考えや行動を人に伝えることすら怖くなっているような気がします。
どうやって行動していくかを、
誰かが言っている正しそうなことではなくて、
自分で考えて自分で判断して行動しなければならないと思います。


そんな中、アスパラの本が久しぶりに発行されます。
内容はキャッチーな宣伝文句が並んでいるのであまり期待できませんが、
寒地と暖地の栽培比較や紹介農家の数の多さなど
期待できる内容も多いので、必読でしょう。
ちなみに、うちは紹介されておりません。
全国にはアスパラの篤農家がたくさんいますので、
これをもとにまた勉強に伺いたいです。


今年は、越冬ハウスの試験も行っております。
これまで消極的だったハウス被覆した状態での越冬。
雪よけが大変で遠出や宿泊、計画旅行もできない。
という理由からやっていませんでしたが、
今年はどうせ遠出できないので、今後のために試験してます。
これまでやっていなかったことをやるのは面倒ですが(笑)、
やったらやったで、新しい経験・知見が楽しめます。

中は作物を作るのは初年度ではリスクが高いので、
人工芝を張って室内サッカー場を作ってます。



最後に、半年間に亘るアスパラの生育撮影が終了しました。
写真家の本田匡さんが定点カメラにて撮影してくれていましたが、
12月の降雪をもって終了となりました。
アスパラの姿を熱心に、時に狂おしく撮影して頂きました。
撮影以外でも楽しい時間をたくさん作っていただき、
本当に感謝です。
地面から顔を出す春のアスパラ、立茎後の成長の姿、
青々と茂るアスパラと大風に煽られて細くなる姿、
色づく秋のアスパラ、雪に負けて倒れるアスパラなどなど、
編集が楽しみでなりません。
本田さん、いつもありがとうございます!