2015年11月30日月曜日

衰えない、減らない、変わらない

アスパラガス栽培をしていると、こうしたら儲かるのに、
という親切な(笑)助言をいただくことが多々あります。

8年やってきましたが、当初から最近まで、
言われることはほぼ変わりません。

・冬(11月~1月)も出せたら単価は2倍から5倍だよ。
・有機でやれば高値で引き取ってもらえるよ。
・3色セット(緑・白・紫)は人気ありますよ。
・ピンクアスパラ(とか黄色のアスパラ)もありますよ。
・(大雑把ですが)この肥料を使えば2割増収します。
などなど

何を目的に経営するか、とか、
どういう土・気象環境の中で農業をしているか、とか、
そういうことを無視すると面白い提案ですが、
一応、色々ためしはしております。

今やってないことには、
1.知らないし取り組んでもいない
2.やってみた結果やらないことにした
大雑把に言って二通りあると思います。

現状をみてアドバイスいただけるのはありがたいし、
これらを現実に取り組んでいる農家もたくさんあります。
それぞれの事情や興味、得意なこと、などから判断していると思います。
そういう判断の積み重ねで今の経営となっております。

それは、みなさんからの外圧というか、
ああでもない、こうでもない、という影響を受けつつ、
自分なりに判断を下してきた細々した事の積み重ねだと思ってます。
自分だけで判断できたことなんて、ないと思います。
悔しいのは、8年もの間、農家を見る目はかわらなかったのではないか、ということ。

もう少し影響を与えられるのではないかと思って活動し、
それをやめてから3年が経過してしまいましたが、
変わらない現状、農家側の変わらない危機感のない現状認識には、
本当に悔しい限りです。

2015年11月22日日曜日

タイトルについて

悩んでるかのように考えました、タイトル。
日本一を明示するか?
自分の内面に特化するか?
アスパラマニア向けにするか?

「日本一のアスパラガス農家になる」
これは、いつまでも、なれないとわかっています。
だって、自分でそれを納得できる時が来ると思えない。

奇を衒う者、誠の奇にあらず。
知を衒う者もまた誠の知あらず。
変な人は自分を変だと思ってないし、
賢い人は自分を賢いと言わないし、
日本一を目指している人は自分を日本一と言わない。
目指している・決意しているから、「なる」としてますし。
望んでるなら「なりたい」
みんなを率いるなら「なろう」
「なる」なんて自信がないと言えないけど、決意もないと言えない。

わからない人には、文句言ってもらえばいいです。
それもタイトルとしての旨味だと思います。
これで嫌われたらそれでいいです。
だって日本一になったと思えたら、めちゃくちゃ幸せです。
思えないのわかってるから、常に向上していけると確信しています。

で、結局変えないことにしました。
このままが一番しっくりきます、当面は。
ちょっとすっきりしたので書いてみました。

2015年11月14日土曜日

読書、テロ・・・

春から読んだ作品。
時間がないと言いながら、お風呂で、移動時間で、
ちょこちょこ読みました。

忘れられた巨人は読んでいる最中。
面白すぎて、買い漁り意欲が増して、こんな本を買ってみました。
冬は読書をたっぷりしたいです。
小学生の頃には月に1冊本を読みなさいと言われましたが、
そんなに読めるわけないですよ。
当時はまったく興味なかったですから、漫画以外は。
それが今では趣味・娯楽となっています。



フランスはパリでテロです。
言いたいこと、望むことが叶わない時に、強硬手段に出たり、
相手の嫌なことをして止めさせようとしたりする行為。

戦争なのか、事故なのか。
どうリアクションするかで大きく変わっていく世界の中で生きています。
もっと世界を知ろうとか、もっと政治に関心を、とか煽りますが、
本当に自分の頭で考えていますか?

関心を持ち、知ることで、自分の行動が変わるのは確かだと思います。
ただそこにはそれぞれのできることの範囲内でいいと思います。
「こうあるべき」という信仰に似た信心は、争いや蔑み、批判を生むと思います。
できること、に対してどこで線引きするか、という深いところはここでは抜きにして、
自分のできること、自分が人の役に立てることを日々精一杯行うことしか、
私にはできないのではないか、とも思います。

テロ自体は許されません。
しかし、目には目を、とか、あいつを黙らせるには、とか、
リベンジ(復讐)とか、報復と思われる行為は日常から存在します。
我々の行動が世界を変えるなら、小さなテロも控えたほうがいいんじゃないか?
平和って、何だ?
確かな答えのひとつは、子ども達がわらってはしゃいでる景色。
これが、この時が永遠に続けばいいのに、と本気で思ったりします。

2015年11月10日火曜日

つまらない、私のこと

趣味は読書です。
酒もタバコもギャンブルもやらないで、何が楽しくて生きてるの?
よくよく、何度も何度も、聞かれる質問です。
もちろん冗談でしょうし、他意はないと思います。

読書がたまらなく好き。
人と出会って刺激を受けたり共感したりするのはもっと好きです。
人が好き、と言っても伝わらないし、説明するには長いので、言いません。
人と会って、尊敬したり仲間意識を持ったり議論したり感謝されたり笑ったり。
たまらなく楽しいです。
酒やタバコやギャンブルも楽しいんでしょうけど、僕は人が好きです。

音楽は聴きます。
でも音痴ですしカラオケは歌いませんしクラシックとか聴けません。
聞いてて心地よいものを聞いたり、人の影響で聴くようになったりします。
最近は、ミスチル(これは不動)、そして
作家の伊坂幸太郎氏が好きな斉藤和義を聴き始めました。
学生時代にはドリカム、ビーズ、クイーン、ボビー・コルドウェル、長渕剛など。
音楽通の方は挙げないような名前かもしれないですけどね。

人の影響はよく受けてると思います。
仕事に関しては、尊敬する人の言葉はすぐに、
嫌いな人の言葉はジワジワと身についている感じです。
仕事できる人が好きです。
仕事ができる、とは、雰囲気で判断します(笑)
でもわりとあたります。
話してすぐにわかることが多いです。
好きになれない人でも関係が続くうちに尊敬できることを
たくさん見つけてしまうこともあります。
それは見当が外れたけど、それで楽しいのです。
他人は自分の鏡、という言葉は言い得て妙です。

子どもが可愛いくて仕方ありません。
アスパラが好きで仕方ありません。
政治が嫌いで仕方ありません。

先祖のお陰、というか、
祖父母への尊敬、両親への反発、妻の下支えのお陰で、
こんな人間になったんだと思います。
自分が好きですし、自分が起こしたことや自分に降りかかったことも
全部自分のせいにできますし、自分の悪いことも受け入れているつもりです。

村上春樹の「雑文集」を読んでて、何となく書きたくなりました。

2015年11月8日日曜日

経営移譲

11/2に書類手続きを済ませ、表面上は経営移譲となった。
うちやま農園の代表、園長になりました。
(継がせる詐欺ではなかった(笑))

急な心境の変化はないし、農協の手続き自体は
今年の終わりになるから、実感はほとんどなし。

営はgoing concern。
これは帝国データバンクの研修に学んだことです。
企業は社会の課題解決のために存在するはずなので、
存在した課題は永遠に解決しないという社会矛盾のような話。

経営を続けていくのは、お客様のためでもあり、
家族のためでもあり、社会のためでもあり、
何よりも自分ためでもある。
自分成長と人の役に立ち続けることが私の存在意義なら、
継続し続ける努力を続けるしかない。
誰にでもできることを、誰にも出来ない次元で。

一方で、ブログはあくまで個人的なものだ。

他人にどう見られたいか、他人から何を言われるか、お客さんが離れないか。
そう言った雑音を遮断して、自分と向き合って書きたい。

日本一って、何?
私のモチベーションです。
見えない高みを目指していく。
誰かと競争したり、比較したり、相対的な1番は、不要なんです。
サラリーマン時代には、もちろんそれを求めました。
でも、今は自営業。
理念も目的も動機付けも、全て自分なのだ。
自分の成長が、大切な社会貢献となり、人々の役に立つことにつながるのは、間違いない。

友人にちらっと相談。
数字よりも、自分の中での達成度合いを図る指標を儲けたほうがいいかも。
抽象的でも自分がわかる指標を持つとか。

そうなると、仕事は当たり前に達成していくものなので、
家族のために何日休みを取ったか、とか?
今年は・・・、2,3日かな^^;
家族のことは、このブログではメインではないですし、
それぞれの幸せの形があると思うので、言及しません。
毎日笑顔でいられたら、それが一番、かな。
そのための努力もたくさんあるけど(もう書かない)。

もちろん、地域(といってもせいぜい北海道かな)に対しても
何らかの貢献は必要。
求められていないのかもしれないが、聞かれたとき、
万が一(笑)頼られたときの準備だけはしておく。
でもそれも当たり前のことだ。

将来の夢は何ですか?とよく聞かれた幼少期。
すんなり答えられたためしはない。
無理やり捻り出すのが大変なんだから、聞かないでくれよ、と。
今?子どもを成人させることかな(笑)
経営に余裕が出来てくると貢献したいことが広がってくると思います。
余裕がないここ4年は全くないけど、もともとそういう性格ですから。

親しい方からは、
引き続きの尖がり、前向きな変化、を期待されているようです。

農家の三代目として就農した8年前。
わずか8年だが、サラリーマンも8年しかやらなかった。
新たなステージに入ると思うが、この8年で決意できたことが一つある。
「アスパラだけで食っていける農業をしよう。」
仕事においては、当面はこれを追うことになるだろう。
追いながら、普及もできたら最高だ。
追いながら、地域貢献できたら最高だ。
追いながら、人とつながっていけたら最高だ。

2015年11月4日水曜日

2015年美唄アスパラ組合視察研修

恒例の視察研修、今年は10/28-30です。


28日、初日は山形県の最上。

こちらは露地栽培中心で、パイプを雨よけではなく
倒伏・揺れ防止に利用。
平均反収で700kgを超えています。

立茎本数は少なめ。
栽培開始10年ですから、やったことと収量が一致する時期です。

管理が細かい。
収量が上がっていることもそうですが、
「やませ」による冷害対策が奏効していることもあって、
農家も農協も、とても活気がありました。


29日、2日目は福島県の会津若松市。

雨よけハウスと露地が中心の産地ですが、
美唄同様にもう50年近い歴史在る産地です。

平均反収1t、面積も1haが珍しくない、大きな産地です。
防除体系、植え替えの取組み、そして衰退する中で
何とか収量を維持する取組みが印象的でした。

立茎本数はこちらと同じくらい。

今回の視察で痛感したのは、行政や農協の助成による産地形成ついてです。

以上の2箇所、いずれも資材代・肥料代などほとんどのものに
行政・農協から購入資金の半額助成があります。
うらやましく感じるかもしれませんし、助成してくれるから農協に全て集荷する
のが当然のルールになっているのも理解できます。

私が恐怖を感じたのは、「産地」としての強さであり、農家としての弱さです。
助成があり、農協が頑張れば頑張るほど、農家の自助努力は減ります。
産地としてはそれで続いていくのでしょうが、農家として技術や経営手腕を
インプット・アウトプットしていくという経営体としてのサイクルを、
産地化してしまうことで止めているのではないか、と感じてしまいます。

もちろん、どちらがいいか、というのはわかりません。
飼い犬と野良犬と、どちらが幸せかは本人(犬)に聞かないとわかりません。

強い農業、というあいまいな言葉の中では、産地としても強い農業に入ると思います。
そういう農業をしてきた過去、そこに甘えられなくなった近年。
自活する道を探るからこそ、強い経営なんだと思いますが、
個々なのか集団なのかについては、両方を求めるべきだと思ってます。
それは難しいことでしょうが、過去の成功や最近だけの事例にとらわれてはなりません。

常に新しい状況はやってきます。
考えて、行動してこそ、開かれるはずだと信じてます。


30日、3日目は新潟県新発田市。

露地中心の産地で、県民に浸透し始めたのが最近という、
これからの産地です。

砂地の30cm下には粘土という、厳しい条件化での栽培ですが、
明渠、防除、肥料散布回数などの工夫が随所に。

キレイな立茎でした。


今回の視察も観光はゼロ。
わがまま言って遠い距離の3箇所をまとめて行かせてもらいました。
懇親会では私への誤解が少し解けたり、
他の組合員への態度を叱咤されたり、
今後の方向性を認識しあえたりと、
視察以外でも充実した研修となりました。
いつもありがとうございます。
事務局(農協)、本当にお疲れ様でした。