2020年12月30日水曜日

種市先生

2020年4月、津別町の母方の祖母が亡くなりました。
小さいころから遊びに行ってかわいがってくれた、ばあちゃん。

仕事を抜け出せなくて葬儀には参列できなかったのですが、
11月にようやくお参りに行きました。
笑ってる顔しか思い出せない。
ゆっくり休みください。


12月には、恩師の種市先生が亡くなりました。
中学校の保健室の先生。
中学生のころ、クラス内の雰囲気が合わず、
休み時間のたびに保健室に遊びに行ってました。
(無視はされてても、たぶんいじめられてはいない)
家でも学校でも自分をうまく表現できない、
そんな思春期の僕の居場所を与えてくれてたんだと思います。

種市先生には、ほぼ誰もが怒られた経験があるというくらい、
生活態度に厳しい先生でした。
僕も一度。
先生に頼まれた掃除道具の片付けを、
僕がそれを承諾したのに、すぐに大人しいTくんに僕が委託したので、
「お前に頼んだんだろうが!もう頼まん!」と一喝。
自分が受けた仕事は自分でやるのが信頼だよな、と
今ではわかりますが、わからなかったんですかね、当時の僕は(笑)
ガンの闘病生活が大変だったと伺ってます。
何度か会いに来てくれて、嬉しかったです。
ゆっくりお休みください。


僕が教師になりたいと思ったきっかけの、
中学校の吉田先生はまだまだご健在で、
たまにアスパラを買いに来てくれてます。
あれほど生徒と親思いの先生がいるんだと、
今でもやってくれたことには恭敬というか、
感謝では言い表せない気持ちがあります。

仕事で、景色をつくる

景色10年、風景100年。
と、何かに書いてありました。

気色は短い周期で変えられるものだけど、
風景はもっと範囲が広く中長期的な変化によって
形成される、みたいな内容だった気がします。

今年は農地基盤整備事業があり、
我が家の半径500mの景色が変わりました。
主に土地の区画と道路。
写真は、新たに建てたハウスを西側から撮影。
雪であまりわかりませんね(笑)

そして、当農園もそれを機に、
経営基盤の作り直しをしています。
1つは、ハウス。
一度古いハウスを解体して、
生産・管理しやすいように建て直しています。
もう1つは作物。
アスパラは当然ですが、少しづつ変化していく予定です。
 いや、ここ5年だけでもけっこう変化してますね。



そんな景色や経営の変化は、大きな仕事量です。
支えてくれているのは、もちろんスタッフ。
今年は感染症拡大防止ため、全員での慰労会は行えませんでした。

景色を変えてしまう仕事は、機械もさることながら、
人の手もたくさん入っています。
それは、家族だけでは到底手の行き届かない膨大な量。
スタッフが一生懸命に働いてくれるおかげで、
うちやま農園は成り立ってます。
美味しいアスパラを作れる要因も、
手間が大きく関わっています。
手作業がアスパラを美味しくするわけではありませんが、
手作業なくして美味しいアスパラはできません。

景色や美味しいアスパラづくりだけではなく、
家庭のため、社会のために働いてくれるスタッフを、
尊敬しています。
今年のコロナ禍でも仕事をやりとげられて良かった。
また来年もよろしくお願いします。

2020年12月29日火曜日

2020年という記憶

冬が来ました!
外で子供たちが元気に遊ぶ姿こそ、
私にとっては冬を強く感じます。
コロナの自粛期間ですが、
感染対策をしつつ元気に活動すべきだと思います。
北海道の人が北海道を元気にすべきでしょう。
そこに本州や海外の人を頼るのは、もう少し後で。

6年生のムスメは、さすがに加わりません(笑)
でも、楽しそう。
そして干支も一回りして来年は中学生という、
そりゃあ僕も老けるよな、なんて。


この冬、山崎豊子デビューしました。
10年くらい我慢してましたが、
老眼も入ってきたので、読むことに。
二つの祖国。
この作品で、祖父のことを思い出すのはもちろん、
運命を自分で決めれる現代が恵まれていることを痛感。
過去の反省が薄くなることは仕方ないにしても、
今の状況の捉え方や、その人の考え方の根底にあるものを、
簡単に考えてしまっていることは私の反省です。
でも、本当にこの本を理解するには、僕は経験不足なんだと思います。
テレビで見てしまった「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」は
とりあえず後回しにして、
「女の勲章」「女系家族」「運命の人」、その他中編に読み耽ります。

冬の大仕事、年に一度のワックス掛けも終了。
何もしなくても時間は過ぎていきます。
できることしつつ、いつでも動じないように。


今年は雪が多いので、12月からスキー場は良いコンディション。
子供がいない時間に、友達と富良野スキー場へ。
5時間、新雪ではしゃいできました。

妻とプチ忘年会。
会食ができないので、さっと、ね。

今年は、2月くらいから始まった新型コロナウィルスによる混乱で、
色々と振り回された気がしてます。
幸いにも田舎で農業という隔離された環境なので、
感染リスクからは遠く、かつ、農作物に合わせた仕事なので、
売れようが売れまいが収穫やその他の世話はし続けなければなりません。
いい意味で騒音から離れて仕事に没頭できたのは幸せだったかもしれません。

この混乱で、世界が生まれ変わることはないと思いますが、
現在の経済優先の価値観や、人に無関心すぎる社会が、
少しでも優しくて思いやりのある社会に近付くような
価値観の再構成のきっかけになればいいなと願ってます。
僕の周りは、そういう変化を始めているような気がします。 


二つの祖国を読んでから、少しですが、
ものの見方というか、自分との向き合い方や
仕事や人に対しての考え方が変わった気がします。
自分の人生は自分に流されるというか、
主観的に取り組みつつも傍観するような感覚というか。
うまく言えませんが、人生を積み重ねていきたいです。

2020年12月10日木曜日

今年の冬

わざわざ「今年の」とつけたタイトル。
コロナ禍でいつもと違うのは、出張に行けないことです。

毎年冬期間は体休めと来季の計画やそのための勉強、
そしてアスパラ発送先への挨拶回りや新規営業を行っていました。

出張は、農家も同時に回って、見分を広める時間でもありました。
それができないのは、自分で勉強する時間を作らねばならないってことなのですが、
やはり刺激が足りないのであります。

最大限の予防をしつつ、共存していくしかないと考えているcovid-19。
SNSによって思考能力を奪われた我々にとって、
炎上とか批判が怖くて情報発信することや、
自分の考えや行動を人に伝えることすら怖くなっているような気がします。
どうやって行動していくかを、
誰かが言っている正しそうなことではなくて、
自分で考えて自分で判断して行動しなければならないと思います。


そんな中、アスパラの本が久しぶりに発行されます。
内容はキャッチーな宣伝文句が並んでいるのであまり期待できませんが、
寒地と暖地の栽培比較や紹介農家の数の多さなど
期待できる内容も多いので、必読でしょう。
ちなみに、うちは紹介されておりません。
全国にはアスパラの篤農家がたくさんいますので、
これをもとにまた勉強に伺いたいです。


今年は、越冬ハウスの試験も行っております。
これまで消極的だったハウス被覆した状態での越冬。
雪よけが大変で遠出や宿泊、計画旅行もできない。
という理由からやっていませんでしたが、
今年はどうせ遠出できないので、今後のために試験してます。
これまでやっていなかったことをやるのは面倒ですが(笑)、
やったらやったで、新しい経験・知見が楽しめます。

中は作物を作るのは初年度ではリスクが高いので、
人工芝を張って室内サッカー場を作ってます。



最後に、半年間に亘るアスパラの生育撮影が終了しました。
写真家の本田匡さんが定点カメラにて撮影してくれていましたが、
12月の降雪をもって終了となりました。
アスパラの姿を熱心に、時に狂おしく撮影して頂きました。
撮影以外でも楽しい時間をたくさん作っていただき、
本当に感謝です。
地面から顔を出す春のアスパラ、立茎後の成長の姿、
青々と茂るアスパラと大風に煽られて細くなる姿、
色づく秋のアスパラ、雪に負けて倒れるアスパラなどなど、
編集が楽しみでなりません。
本田さん、いつもありがとうございます!

2020年11月21日土曜日

経営環境(土地編)

うちやま農園では、

アスパラを作るうえで、農業を続けるうえで、

その前提となる環境に良いことも悪いことも あります。

これは、うちに限ったことではなく、どこの農家にも、

必ずあります。


今回は土地の条件について書くつもりですが、

後継者なのか新規なのか、

農協の拘束力、

地域の文化、

特殊気候や家族関係などなど、

様々な環境によって、選択ずるべき、または選択できる

経営スタイルは様々に変化します。


今の経営環境の、何が恵まれていて、何が不利になっているか。

これについて、冷静に、客観的に、正確に判断できれば、

それでもう経営改善は終わったようなものです。

なぜなら、原因を正しく突き止めることが、

経営改善の9割ですから。


うちで、他の人に羨ましがられる点は、

平地であること、家の近くに土地があること、くらいでしょうか。

天候まで含めてしまうと、北海道であること、もありますね。

暑くなりすぎない、梅雨が少ない、などなど。

他の人に言われませんが、泥炭土壌であることが、

私は最も良い点だと思っています。


では、不利だと言われる点はというと、

平地であること(水が流れない、基盤整備後で傾斜つけられない)、

泥炭土壌であること、

地下水位が高いこと、くらいでしょうか。

北海道であること、は、腐植が進まないことや

植物が受ける温度から考えると、不利に入ることもあります。


恵まれまくっている土地、というのはありません。

しかし、用水はない、土地は枯れている、草は多い、

傾斜が強すぎる、1区画が狭いなどなど、

条件不利を多く抱えて農業を営んている方も多数います。


それでも、その与えられた条件を冷静に判断して、

生き残れる農業スタイルを発見・探求していくのが農業です。

自分の環境を嘆いている人は一歩も進めませんが、

環境から道を探る人は、目を見張る農業を行っていますね。


自分のやりたいことと、いまの土地があっているのかどうか。

あっていないなら、合わせる方法があるのか、

自分の農業を土地に合わせて変化させていくのか。

この判断は、主観的になるほど、ズレます。

事実の正確な把握に努めましょう。


ある勉強会では、マーケティング分析をあてがって、

土地の有利不利に話題が行くこともあります。

愚かです。


では、アスパラに、うちの土地があっているのか、について。

泥炭土壌を生かせる、平地で1区画が大きいので管理しやすい、

という点ではとても恵まれていると思います。

ところが、平地であることは、思いのほかアスパラ栽培には不利です。

病気に弱いために、水の浸透性よりも水は表面を緩やかに流れる、

傾斜地の方が有利なのです。

良い部分が生きれば、とても良いアスパラを大量に生産できますが、

不利な部分が生きれば、つぶれてしまうほどの被害を受けます。

被害の原因の半分は、その年の天候ですが、

もう半分は、手を加えることで大損害を免れることはできるので、

作り続けていられるんだと思います。


もう46年にもなります。

露地にハウスも加えたアスパラ栽培です。

10年までは露地一辺倒でした。

今後も、環境変化に合わせて経営を続けます。

2020年11月10日火曜日

片付け終了、冬眠へ?

降雪の前の片付けは大忙し。
だいたい、1週間前の降雪予報は当たります。
そこから、ハウスの被覆を片付け、
露地畑のイボ竹2万本を抜き、
機械類を格納し、凍結防止処理をする、などなど。

天候と労働力と相談しながら、
時間に追われるちょっとした繁忙期になります。

それでも、10年前なら父と2人で、
不機嫌な中、無言でしていた片付けを、
今はスタッフたちとゆっくり丁寧に、
笑いながらできていることが、
何より楽しかったりします。


今年はミニトマトのハウス1棟を、
ムスコのサッカー練習場にします。
covid19の影響で、いつサッカーの練習が中止になるかわからない。
だからこそ、考えてできることを対策も含めてやりたい。
10歳。
サッカーが飛躍的に上手くなる年です。
スポンジが水を吸収するように、
どんどん上手くなっていく時に、酷な環境です。
特に北海道。
でも、サッカーやってる目的は、人間教育。
サッカーが目的ではないので、環境に対応できればOK。



こちら、来年定植する苗です。
綺麗に黄化しました。
左がスーパーウェルカム、右がメーデル。
ハウスにも、露地にも。


3年目の畑は、場所によって病気の発生や
8月の大風による枯死が出てしまい、
来年の管理が難しそうです。


ハウスのアスパラも、今年は刈り取りせず。
病気が少ないのであれば、刈取しない方が、
翌年の収穫量が多いというここ3年のデータに基づき。


家の中から降雪をぼーっと眺めています。
種とりや機械整備など、少しの作業は残ってますが、
ゆっくりします。

今年は、波乱の一年ですし、
この先もわからないこと、未経験のことが
毎年押し寄せてくるのだと思います。

立場は違えど、みんな生き残るために必死です。
昨今の選挙のニュースやテレビ番組を見ていると、
優しさや寛容さはどこへ行ったのかな、と思います。
人のちょっとした粗を異常に突っ込んだり、
大げさに仮説のような物事を悪事にまくしたてたり。

信じない、疑う、よりも、信じている方がいいですよね。
でも、信じてると馬鹿を見る時代なんですよね、きっと。

それでも、人や事件に対して、大らかであり、寛容であることは、
自分だけじゃなくて世界に対しても長期的には良いことだと信じてます。
誰かのための行動でありたいし、悪いことには関わらない。
知らなくて良いこともあるけど、知った上で関わらない。

ああ、44歳って、こういう感じでいいのだろうか。

2020年10月30日金曜日

育成

正社員を募集し始めて5年になります。

時に大々的に、イベントに出たり、広告を出したり。

 https://hiroshicommit.blogspot.com/2017/03/blog-post_24.html

止めようと思います。


ですが、探していきます。

知り合いに直接声をかけて、お互い納得して働くことに。

小規模個人事業で、大企業並みのことをやろうとする必要はない。

気張っていたこともあるけど、今では身の丈にあったことをやろうと思う。


企業としてやるべきことがあるとしても、

相応の規模やニーズ、そもそもの理念にあっていることが大事。

自分のこととアスパラのことを真剣に、楽しく考えてくれる人。

そんな人と仕事をしたいです。

正社員でも、パートさんでも。


私が求める正社員の要件が厳しすぎるのか、

私の教え方が悪いのか、

私の性格に問題があるのか。

とにかく、うまく教えたり育てられないってことが、

農業やって13年でようやくわかりました。


もともと学校の先生になりたかった私。

ならなくて良かったとつくづく思います。

アスパラと家族と向き合うことが、

仲間や関わってくれる「人」と交流することが、

私の人生を豊かにするんだと思います。


アスパラのことや経営のことを聞かれたら、

これまで通り何でも教えます。

でも、うちで研修するとか正社員になるとかは、

私の性格上、お互いがハッピーにならないです、たぶん。

ネガティブには捉えてませんので、ご安心ください。



新たな気づきと一歩です。

2020年10月15日木曜日

家族写真

昨年は大不作により控えていた家族写真撮影。
今年は行ってきました。
いつもの、フォトスタジオアフロさんへ。

ムスメの100日の記念写真から、昨年を除いてずーっと同じ。

気張った感じにならないのが良いのです。
いつの間にか、身長差がこんなにも。
おめかしもできるし。
高齢のアフロ写真も。
ちょっといい写真をとってもらって、
いつもありがとうございます。


家族写真をとって、成長の記録を残しています。

飲み食いや贅沢する代わりに、

ちょっと高いですが、大事なぜいたくだと思ってます。

僕を支えているのは、間違いなく家族なのだから。

2020年10月6日火曜日

秋は、ブログも野菜もゆっくり時間を使えます

我が家のビッグニュースです。
子供部屋をついに仕切りました。
両方で11畳の子供部屋を、
5.5畳ずつに。

新築時からその予定でしたが、
ムスメ6年生、ムスコ4年生で、
ついにその時を迎えました。

変わらず仲良しなんですが、
親としては少し寂しいです。


最近は秋晴れが多いので、
秋野菜が元気です。
先日の送りはこの3点セット。
カリフラワーは例年通り美味しく、
ミニトマトは朝の冷え込みからようやく味が締まり、
ズッキーニも手間をかけた甲斐ありました。

アスパラは、来年の準備で忙しくなっています。
基盤整備でリセットされた土地に、
ハウス建てて、堆肥散布。
これまでは春にやってましたが、
できるなら秋にやりたいです。
初めて実現できて、ちょっと嬉しい。


今年の新植については、70点くらいの出来です。
もっと草勢があったのですが、
集中豪雨で病気が発生してしまいました。


ハウスのアスパラ、昨年に続き今年も良い状態です。
擬葉は長くてがっちり、病気が少ない。
実も少ないので、栄養バランスも悪くなかったと推察。
来春も楽しみです。


ズッキーニ、枯れているように見えますが、
秋をこれで迎えられたのは上出来なのです。
うどんこ病で下葉がやられても、
新葉さえ生きていればどんどん実をつけます。
ただ、水はけの悪い畑だったので、
大雨のあとの成りが悪いです。
昨年までは水はけが良い場所で作っていたので、
雨のあとに良く取れました。
まあ、基盤整備でここしか植える場所がなかったので
仕方ないですし、その中でよくやったと思います。


最後に、ムスコのサッカー。
先日、前チームの試合を見に行ったら、
Sくんのパパから「たまにブログ見てるよ」と言われました。
そのパパ、ムスコのサポーター第一号です(笑)
10/3、初試合でした。
コンサドーレU10に入って半年、初試合です。
ようやくの試合です。

おそらくですが、こっちは1.5軍~2軍と思われます。
上手い子たちはU11の交流戦に出てました。
まあ、コーチは「ベストメンバーを選んだわけではない」と言ってますが。

それでも、一生懸命に練習参加しているからか、
なんと10番をもらいました。
ポジションは3-2-2の真ん中の2のところ。
ボランチです。
トップやサイドハーフに適性があると思うのですが、
ここ半月くらいはボランチで、試合もすべてボランチ。
数々のポジションをあてがわれるチーム方針のようで、
サイドハーフやサイドバックも経験してます。
トップも1,2回かあったかな。

札幌市の区予選を見事に突破し、
来週から本戦です。
勝つことが当たり前のチームですが、
勝つまで不安ですし、勝てば親は嬉しい。
ですが、ムスコは体調不良からか
うまくプレーできなかったようで、悔し泣き。
本戦ではどうなることやら。

2020年9月12日土曜日

生産技術

農業経営において、この生産技術が
大事な要素の9割を占めると言っても過言ではない。

新規就農者は、これを甘く見ていることが多い。
農作物を作るのは難しくない、と。

そして後継者は自分の先代の生産技術を
良い部分も悪い部分もきちんと理解していないことが多い。
古いとか新しいとか、時間がかかるとか効率的かではなくて、
理にかなっているかどうかだ。

生産技術とは、良いものをたくさん作る方法です。
良いものとは、ニーズのあるもの、
たくさんとは、その農家の規模に合ったベターな量です。

ある尊敬する農家がこれを発信したことで、
ここ3年、それだけに注力してきた私の気持ちがスッキリしました。
なので、わざわざここに書きたくなったわけです。

今回はその観点で、農園の状況を書きます。


こちらは来年用の苗です。
遅れていましたが、ようやく茂って越冬できる姿に。
このまま黄化させて、刈り取って、雪の下です。
来年はハウスと露地と、植える準備が忙しいかな。
毎年アスパラを植える、ということは、
実はルーチンにしてしまうと、面倒でもないし、
出荷平準化にもとても良い技術のひとつです。
最近気づいたことですが。



来年のために肥料の葉面散布や
殺菌剤の散布も、大詰めです。
もう言い古されたことですが、秋の養分転流こそ、
アスパラ栽培のすべてと言っても過言ではありません。
この緑のまま、黄化へと進んでほしい。
昨年より少し出来が悪い畑が多いのと、
収穫面積が少し減るので、来年の春アスパラは少し減収しそうです。
ですが、2年目株の畑が50aあって生育良いので、
順調なら夏アスパラから盛り返して今年くらいの収量が取れそうです。

あとは、台風による被害が少ないことを祈るのみです…。
祈るだけでは技術ではありませんが、
台風が来ても被害を最小限に抑えるための投資をして、
できる限りの対策をします。
共済保険には加入していますが、被害を出さないことが一番大事です。
この対策も、大きな生産技術です。



立茎直後から茎枯病の病斑を畑から持ち出してもらって、
たまった病原菌を一気に焼きます。
茎枯病対策はこれしか方法がないのです。
茎枯病が多発し始めたのが、5年くらい前から。
対策と思われることをいくつもやって、
観察して、また試して、を繰り返し、
ようやくそれっぽいことがわかり始めました。
これは、発病して病気が蔓延した人にしかわかない苦しみがあります。
蔓延してない人は、地域性もありますが、
自分のやってることを疑いもしないし、運がいいことにも気づかない。
うちはこれから北海道のみんながするであろう苦労を、
先行してやっているのだと、自分に言い聞かせて(笑)

露地アスパラを栽培して、ある品種を植えているみなさん。
品種は言えませんが。
是非うちを見に来て参考にしてほしいです。


こちら、来年定植予定のハウスです。
基盤整備後の畑に、4棟増設してます。
基盤整備で4棟を解体したので、+-ゼロです。

まずは3棟着手。
1棟は研修生が、もう2棟は私とスタッフで。
来年、5年後、10年後の仕込みをしている時が、
一番楽しいかもしれない。
アスパラはうまくいくと、来年再来年のことよりも、
もっと先のことを考えて投資できるようになります。
ようやくその体制に入れるかも知れない、微妙な時期です。

でも、44歳という年齢を考えて、投資を先延ばししないことに。
今だからできることに投資します。
キモは、生産量や生産面積を増やすことよりも、
生産効率の良い畑を増やすこと、です。
露地でもハウスでもこれは同じ。
それが美味しいアスパラをたくさん作る、一番良い方法だろう、と。


生産技術のひとつが、鎌での収穫。
なぜ鎌かというと、鋏よりも作業が早いからです。
5年も使い込む(左)と、新品(右)とこんなに差がでます。
特にメンテナンスはしてませんが、
ただただアスパラを切っているだけです。
そして、左の方が圧倒的に使いやすいと、スタッフ言います。
全然切れ味が違うそうです。
なので、右の鎌を我慢してしばらく使ってもらってます(笑)
誰かが辛抱して使いやすくなるまでアスパラを切らないとね。



番外編!
ほぼ畑からでることがない毎日。
仕事以外の外出は、ほぼ全てムスコのサッカーです。
とあるスクールの場面。
考えるサッカーを、真剣に、楽しく教えてくれる。
いい大人に出会える子供は幸せです。


そして、無限のモチベーションを与えてくれる家族がいることこそ、
生産技術向上の最大のモチベーションかもしれません。

2020年8月29日土曜日

夏アスパラから秋アスパラへ

お盆過ぎくらいから、ミニトマトの収穫がはじまりました。
1段目は、まだ味が乗ってこないのですが、
今年はピッカピカのツヤッツヤです。

なかなか収穫量が伸びてきませんが、
9月に入ると3段目や4段目もとれ始めるので、
一気に味が良くなります。
楽しみ、楽しみ。

楽しみと言えば、ムスコのサッカー。
コンサU10では、練習試合はほとんどありませんし、
公式戦もほぼなしです。
先日行った練習試合では、なんとボロ負け。
育成世代ということもあり、勝つためのサッカーよりも、
個人が強くなるためのサッカーを教えてくれてます。
ムスコは迷いながらも、少しずつ上達しているはず。
昨年までの強気の仕掛けは影を潜めてますが…。


最後の夏アスパラ。
寒さに何度かあたり、細くなってきました。
それでも、まだまだ頑張ってほしい。
今年は日照不足もあって、少し緩慢な生育です。
もう少しとれると見込んでいたので、ちょっと寂しいです。

今後の秋アスパラは、朝晩の冷え込みもあって、
春の味が少しだけ再現されて、来春が楽しみにもなります。
秋晴れが続くことを祈って。

こうやって擬葉を愛でる時間が好き。
悪い畑もたくさんありまして、来年は今年ほどは取れないだろうな。
それでも、また新植したり、ハウス新設したりしながら、
少しずつ良い方向にもっていきたいです。
一気に、ではなく、少しずつ。
少しずつが、良いのです。

2020年8月16日日曜日

こんなに早く台風直撃とは…

8/7、台風から変わった温帯低気圧が発達し、北海道を直撃。 
アスパラ畑は一部、ほとんど折れてしまうほどの被害。
トウモロコシ畑を見に行ったら、馬鹿にされたように虹が鮮やか。 
自然の中での農業なので文句は言えませんが、
この時期に台風直撃は痛いです。
アスパラがうけたダメージを回復する時間がないからです。
この時期に折れてしまうと、蓄えた養分を来年のために転流させる親木に
育たずに冬を迎えてしまうからです。
ギリギリの選択ですが、一部は刈り取りました。

ムスコを育ててくれたスターキッズというサッカースクール。
時間や曜日によってくるメンバーがよく変わります。
教えてくれる内容も大事ですが、
一緒にサッカーする仲間も大事なんですよね。

基盤整備事業が一段落しそうです。
とりあえずは、リセット完了。
したい区画にもできず、入れたい土も入れられず、
希望する仕上げにもできない。
国営事業で融通利かないし、面積も1割減るけど、
お金はしっかりと請求されるんですよね。
反当6.5万円は、今後の営農にこたえるだろうな…。

大きな作業機が動き回る様子は、
とても興味深く、
思わず見入ってしまいました。

夏なので、デイキャンプも少し。
いつも仲良しの3人。
幼稚園時代からずーっと仲良し。
幼いことを除けば、共通点はかなり少ないんですけどね。
 


久しぶりの暑いお盆となりました。
アスパラも久しぶりにお盆にピークが来ています。
ミニトマトの収穫が始まり、これから20日くらいは、
収穫作業が忙しくなりそうです。

2020年7月18日土曜日

7月は管理作業

農作業でよく聞くのに意味が分からない言葉は、
管理作業、なのではないでしょうか。
少なくとも僕は就農前に思ってました。
実際に農業は、8割が管理作業だと思います。

こちらは、5/23定植のアスパラ。
もう草丈が1mにもなるので、
草取りして、イボ竹を立ててネットを張りました。
この作業だけでも、面積55aで、延べ時間で54時間。
小型トラクタや杭打機などの機械があってもこの時間。
この後は、草取りがまたちょこちょこありますし、
さらに生育が良ければ、また倒伏防止のネットや紐を
かけることもあるでしょうし…。
まあこの辺で。

バイヤーさんが視察に来てくれました。
三重県のスーパーサンシさんです。
2016年からのお付き合いです。
このあと、信頼できる農家を2軒紹介しました。

ハウスの夏アスパラがようやく萌芽を始めました。
写真でアスパラの株もとに白く見える突起物がアスパラです。
親木の仕上がりが早かったものの、6月の低温が響いたようです。
予定より、10日ほど遅れております。
仕上がった後の夜温の影響が大きいと思ってましたが、
それだけではなく、やはり積算温度も大きく関わってました。

ズッキーニ、今年は過去最高に綺麗な畑です。

カリフラワーは、ヨトウムシの被害にあい、
600株くらい植え替えました。
今年は4,000株ほど育てます。

トウモロコシは、ピクニックコーンです。
トウモロコシの注文が2,000本を超えていたので、
慌てて注文をストップしました。
美味しいトウモロコシを皆さんにお届けできるよう、
この後の管理がとっても大事。

ミニトマト、今年は過去2年の失敗を糧に、
逞しく育てています。
収穫のピークもお盆明けに持ってこれそうです。

春の雹被害もありましたが、先日美唄市だけに出た大雨警報。
こちらは少雨ですみましたが、遠くの空が恐ろしい感じになってました。

家の前の景色が一変してます。
平地にした後は、客土です。
蟻塚のように、きれいに土が並びます。
基盤整備では、過去からの経緯、無言の圧力、
1区画内の土の違い、作物の違いなどなど、
様々な現状を受益者が我慢の調整をして、行われます。
国営で基盤整備してもらうんだから文句言うな、
みたいな乱暴な話では片付きません。
農村社会はそこまで単純化・簡素化されていません。

先日も、うちの農地に入る取付道路が、何の許可もなく撤去されました。
とある会が許可したそうですが、うちは何も知らされてません。
隣の土地の工事上、基盤整備の受益者全員が協力することはわかります。
でも、事前に話もなく急に、という事態には、父が猛反発。
責任者は工事上仕方ないの一点張りで、誤りもしません。
みんなのために仕事する地位にある人が、
人のために仕事をせずに、我慢ばかり強いる。
これでは政治家の言いなりになるメディアや会社組織と同じです。

というところで、終わります。