2020年9月12日土曜日

生産技術

農業経営において、この生産技術が
大事な要素の9割を占めると言っても過言ではない。

新規就農者は、これを甘く見ていることが多い。
農作物を作るのは難しくない、と。

そして後継者は自分の先代の生産技術を
良い部分も悪い部分もきちんと理解していないことが多い。
古いとか新しいとか、時間がかかるとか効率的かではなくて、
理にかなっているかどうかだ。

生産技術とは、良いものをたくさん作る方法です。
良いものとは、ニーズのあるもの、
たくさんとは、その農家の規模に合ったベターな量です。

ある尊敬する農家がこれを発信したことで、
ここ3年、それだけに注力してきた私の気持ちがスッキリしました。
なので、わざわざここに書きたくなったわけです。

今回はその観点で、農園の状況を書きます。


こちらは来年用の苗です。
遅れていましたが、ようやく茂って越冬できる姿に。
このまま黄化させて、刈り取って、雪の下です。
来年はハウスと露地と、植える準備が忙しいかな。
毎年アスパラを植える、ということは、
実はルーチンにしてしまうと、面倒でもないし、
出荷平準化にもとても良い技術のひとつです。
最近気づいたことですが。



来年のために肥料の葉面散布や
殺菌剤の散布も、大詰めです。
もう言い古されたことですが、秋の養分転流こそ、
アスパラ栽培のすべてと言っても過言ではありません。
この緑のまま、黄化へと進んでほしい。
昨年より少し出来が悪い畑が多いのと、
収穫面積が少し減るので、来年の春アスパラは少し減収しそうです。
ですが、2年目株の畑が50aあって生育良いので、
順調なら夏アスパラから盛り返して今年くらいの収量が取れそうです。

あとは、台風による被害が少ないことを祈るのみです…。
祈るだけでは技術ではありませんが、
台風が来ても被害を最小限に抑えるための投資をして、
できる限りの対策をします。
共済保険には加入していますが、被害を出さないことが一番大事です。
この対策も、大きな生産技術です。



立茎直後から茎枯病の病斑を畑から持ち出してもらって、
たまった病原菌を一気に焼きます。
茎枯病対策はこれしか方法がないのです。
茎枯病が多発し始めたのが、5年くらい前から。
対策と思われることをいくつもやって、
観察して、また試して、を繰り返し、
ようやくそれっぽいことがわかり始めました。
これは、発病して病気が蔓延した人にしかわかない苦しみがあります。
蔓延してない人は、地域性もありますが、
自分のやってることを疑いもしないし、運がいいことにも気づかない。
うちはこれから北海道のみんながするであろう苦労を、
先行してやっているのだと、自分に言い聞かせて(笑)

露地アスパラを栽培して、ある品種を植えているみなさん。
品種は言えませんが。
是非うちを見に来て参考にしてほしいです。


こちら、来年定植予定のハウスです。
基盤整備後の畑に、4棟増設してます。
基盤整備で4棟を解体したので、+-ゼロです。

まずは3棟着手。
1棟は研修生が、もう2棟は私とスタッフで。
来年、5年後、10年後の仕込みをしている時が、
一番楽しいかもしれない。
アスパラはうまくいくと、来年再来年のことよりも、
もっと先のことを考えて投資できるようになります。
ようやくその体制に入れるかも知れない、微妙な時期です。

でも、44歳という年齢を考えて、投資を先延ばししないことに。
今だからできることに投資します。
キモは、生産量や生産面積を増やすことよりも、
生産効率の良い畑を増やすこと、です。
露地でもハウスでもこれは同じ。
それが美味しいアスパラをたくさん作る、一番良い方法だろう、と。


生産技術のひとつが、鎌での収穫。
なぜ鎌かというと、鋏よりも作業が早いからです。
5年も使い込む(左)と、新品(右)とこんなに差がでます。
特にメンテナンスはしてませんが、
ただただアスパラを切っているだけです。
そして、左の方が圧倒的に使いやすいと、スタッフ言います。
全然切れ味が違うそうです。
なので、右の鎌を我慢してしばらく使ってもらってます(笑)
誰かが辛抱して使いやすくなるまでアスパラを切らないとね。



番外編!
ほぼ畑からでることがない毎日。
仕事以外の外出は、ほぼ全てムスコのサッカーです。
とあるスクールの場面。
考えるサッカーを、真剣に、楽しく教えてくれる。
いい大人に出会える子供は幸せです。


そして、無限のモチベーションを与えてくれる家族がいることこそ、
生産技術向上の最大のモチベーションかもしれません。

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