2020年11月21日土曜日

経営環境(土地編)

うちやま農園では、

アスパラを作るうえで、農業を続けるうえで、

その前提となる環境に良いことも悪いことも あります。

これは、うちに限ったことではなく、どこの農家にも、

必ずあります。


今回は土地の条件について書くつもりですが、

後継者なのか新規なのか、

農協の拘束力、

地域の文化、

特殊気候や家族関係などなど、

様々な環境によって、選択ずるべき、または選択できる

経営スタイルは様々に変化します。


今の経営環境の、何が恵まれていて、何が不利になっているか。

これについて、冷静に、客観的に、正確に判断できれば、

それでもう経営改善は終わったようなものです。

なぜなら、原因を正しく突き止めることが、

経営改善の9割ですから。


うちで、他の人に羨ましがられる点は、

平地であること、家の近くに土地があること、くらいでしょうか。

天候まで含めてしまうと、北海道であること、もありますね。

暑くなりすぎない、梅雨が少ない、などなど。

他の人に言われませんが、泥炭土壌であることが、

私は最も良い点だと思っています。


では、不利だと言われる点はというと、

平地であること(水が流れない、基盤整備後で傾斜つけられない)、

泥炭土壌であること、

地下水位が高いこと、くらいでしょうか。

北海道であること、は、腐植が進まないことや

植物が受ける温度から考えると、不利に入ることもあります。


恵まれまくっている土地、というのはありません。

しかし、用水はない、土地は枯れている、草は多い、

傾斜が強すぎる、1区画が狭いなどなど、

条件不利を多く抱えて農業を営んている方も多数います。


それでも、その与えられた条件を冷静に判断して、

生き残れる農業スタイルを発見・探求していくのが農業です。

自分の環境を嘆いている人は一歩も進めませんが、

環境から道を探る人は、目を見張る農業を行っていますね。


自分のやりたいことと、いまの土地があっているのかどうか。

あっていないなら、合わせる方法があるのか、

自分の農業を土地に合わせて変化させていくのか。

この判断は、主観的になるほど、ズレます。

事実の正確な把握に努めましょう。


ある勉強会では、マーケティング分析をあてがって、

土地の有利不利に話題が行くこともあります。

愚かです。


では、アスパラに、うちの土地があっているのか、について。

泥炭土壌を生かせる、平地で1区画が大きいので管理しやすい、

という点ではとても恵まれていると思います。

ところが、平地であることは、思いのほかアスパラ栽培には不利です。

病気に弱いために、水の浸透性よりも水は表面を緩やかに流れる、

傾斜地の方が有利なのです。

良い部分が生きれば、とても良いアスパラを大量に生産できますが、

不利な部分が生きれば、つぶれてしまうほどの被害を受けます。

被害の原因の半分は、その年の天候ですが、

もう半分は、手を加えることで大損害を免れることはできるので、

作り続けていられるんだと思います。


もう46年にもなります。

露地にハウスも加えたアスパラ栽培です。

10年までは露地一辺倒でした。

今後も、環境変化に合わせて経営を続けます。

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