2015年12月6日日曜日

政策と個々の戦略

農業においては、農水省もしくは政府が取ろうとする政策と各農家が実施しようとする戦略は全く異なっていて、政策について理解しながら各農家がどうやって生き残るかを決めるということが大事だ。

住宅業界に例えると、大きな流れが高気密高断熱の家にあるかもしくはその方向で助成金が出されるという住宅住宅政策があった。一方で、薪ストーブを使う家や、ハイテクではなくローテクで、気密よりも化学物質の少ない家やエネルギー消費を抑えた家など、特徴のある家が一部のお客さんにはとても強く求められる。それを理解しているメーカーは強い。

農業においては政策通と言われる人が政策について語り、農業への意見を求められることが多いような気がするが、その農家は個人の農家が取るべき方向について長けた考えを持っているかどうかわからない。
これまでの経験やたまたま当たった考えをもとに今後の流れを予想しているだけなので、そこには会話や予想の面白さはあるかもしれないが、考え方や意見としては参考程度に止まる筈だ。大事なのは、予想を立ててある程度の備えをするだけで、決まった政策や方向性を元にどうやって生き残るか、どうやって好きな事を続けるか、どうやって稼ぐか、などを考えて実践することだ。

口で言ったり頭で知っているというのは簡単だが、実践できている農家はごく僅かだ。うちだって実践しているとは言い難い。実践した気になっている農家ばかりとも言える。

できる人、もしくは気づいてる人は、したたかに生き残るだろうし、その術を広げることもできる。
個々で実践できない農家はどうするのか?ここに農協の意義が残されていると思われる。
経営分析の真似事はできるが経営指導はできない、仕入販売はするが仕入合理化の努力はしない、営農指導は他組織に依存、販売は大量に捌く以外は市場任せ。そんな農協を、しばしば見るし聞きます。
農協は農家が作った組織。そこの文句を言うのは天に唾を吐くのと同じで、自分を批判しているに過ぎない。それでいいのだ。批判を受け入れて、先へ進むのが大事だ。

話を戻そう。
最近はまたウンザリするくらい、TPPの影響は?とか、どう思う?とか、話題になっている。それぞれの予想や心配事、期待感などは異なって当然だ。望む未来だってかなり違う筈だ。だからこそ、それらを受けて、どう行動するのかをよく考えたいし、その考えは現状認識が合って初めて有効だし、望む未来が一致してさらに共感できる筈だ。現状認識も望む未来も違うなら、無意味な話でしかないし、時間の無駄とも言える。

どうか浮足立たないで。
いつになっても政策と天候に左右されるのが農業なら(私はこれから逃れることが目標となっても達成は無理だと考えてます。)、自分と向き合って地に足を着けるという、仕事において大事なことは常に実践していこう。

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