2012年3月22日木曜日

地域農業マスタープランについて

昨日、説明会がありました。
 
簡単に言うと、カロリーベースの食糧自給率50%達成のために、担い手の確保と農地集約を進めるという戦略の中のひとつの戦術が、地域ごとの農業形態の在り方を決めて行こう、未来設計図を地域ごとに作ろう、というもの。
 
具体的には、今後も後継者がいて長期営農可能な地域なのか、高齢化や経営難などで過疎に向かう地域なのか、営農スタイルを変えて効率化できる地域なのか、などを、行政や農協がみてわかるようにしておけよ、ということ。いや、噛み砕き過ぎか・・・。
 
それを作成するメリットとして、経営開始もしくは事業継承を受けて所得が250万円以下の場合の年間150万円の青年就農者への資金補助、農地集約を自治体などが奨励金などで支援、長期借入金の当初5年間の金利無利子化。
 
ここで大切なのは、地域で将来の設計図を決めて行こう、というもの。その「地域」とは、ある範囲に農地を保有している人、ということ。場所によっては、住んでいなくて土地を持ってるもしくは借りている人も地域の未来設計図作成にかかわるのだ。
農業は土地から離れられないので、地域単位で物事をきめることが多いが、今回の計画は特に重要と思っている。おかみに言われないとやらなかった過去にも問題はあるが、少なくともこれまで地域の長期プランなんて考える素地がなかったからだ。是非、30代・40代が参加して長期的な計画を考えて行きたい。それが、農業が地域を作ることにもなるし、新たな発想からポジティブな農業経営者が増えて行くことにもつながると思っている。
 
だが、その大事な地域の問題よりも、150万円の資金補助に注目が集まり過ぎて、どうやってお金をもらうかに話が言ってしまっている地域が多い、ということに警鐘を鳴らしたい。もらえるものはもらう、というのはわかるが、大事な地域のことやお金をもらわないで経営を考えるということを始めから放棄しているほとんどの農家の考え方に、呆れる。さらに、「背に腹は代えられない」とか「国の長期農業政策が見えないから目先の金だけでももらっとく」とかいう立派な言い訳まで言うのだ。
 
こうやってお金をもらうことは悪いことではない。有効に活用すべきだ。しかし、もらうことに慣れてしまって、改善なき営農を続ける人たちが、TPP反対、自国の利益を守れ、などと良く言えたものだ。金は大事だが、金は稼ぐもので、与えてもらうものではない、という価値観はどこまで通じるのかな。
 
もらったから黙るわけでもない。あるべき農業の姿、やるべき経営改善などに取り組み、発言していくことは、常に継続して必要なことだ。

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