ハウス栽培に対しての、露地栽培です。
アスパラは全て露地だと思っている人も、
全てハウス栽培だと思っている人も、
少なからずいるようです。
露地栽培は、温暖化と気候変動によって、
数十年前から東北以北でしか作れなくなっています。
(例外があって、広島県では特殊な方法で露地栽培を続けています。)
論点は3つです。
1.品質の違い、2.手間がかからないのか、
3.どういう位置づけで売るのか、です。
あくまで主観ですし、違う考え方の農家さんもいると思います。
参考までに。
【品質】
露地とハウスではどちらが美味しいですか?とよく聞かれます。
簡単に答えるなら「好み」です。
色々食べ比べて味がわかってきて、
「滋味」がわかるようになると、味は大きく変わって感じます。
露地は環境の変化が激しいです。
永年草であるアスパラガスは、環境にあわせて栄養価を変化させます。
常時快適な環境を作ってあげるハウス栽培に比べて、
露地は過酷な環境になるため、そこで生きるために
様々な栄養価を蓄えます。
それを滋味として感じることができると思います。
香り、雑味、旨味など、わかるほどクセになる味です。
ただ、一般的にはハウス栽培の
「柔らかくて、甘く、濃い」味が好まれます。
わかってもらえなくても、うちは露地の味を追求し続けますが、
意外と気づいてくれるお客さんは少ないですし、
ハウスものを食べたい人にわざわざ露地を食べてもらうよりも、
「美味しいハウスアスパラ」を食べてもらう方が大事だと思ってます。
太さは、必然的にハウスの方が太くなります。
風にあたらず、肥料が効きやすい環境では、
アスパラは太くなりやすいです。
最近は品種によって太さの差がでやすいので、
一概には言えません。
同一品種での話です。
【手間】
除草、施肥、風対策、培土や排土などなど、
ハウスと比べても被覆の手間がなくなっただけで、
同じように栽培上の手間はかかります。
被覆の資材と時間を考えたら経費は安くなる要素がありますが、
そもそも収穫量が少ないので、経費は薄まらず、
逆に収支が悪化します。
ハウス栽培に対して、露地は環境の変化が激しいです。
そのため、ハウスのように好きなときに水をあげたり、
寒いときに温めることが、できない。
ということは、手間をかける時間がグッと減り、
「今この作業を」という「今」が下手したらハウスの1/3くらいです。
この辺が、ハウスをやってから露地栽培を行うと戸惑うところです。
こういう部分では、ハウス栽培は露地に比べて簡単だと言えます。
【経営判断】
手間をかけない分、安く売れるのではないか、
という農家友だちの考え方に触れて、
今回この内容で書くことにしました。
露地栽培をどういう位置づけにするか、それは経営判断なのです。
近年急激に栽培面積が減っている露地栽培。
植わっているだけで、栽培していない、とも言われます。
手間かけずにとれた分売るだけだから、安くてもいいですか?
とれた分しか売れない鮮魚が、すべて安い値段で並んでますか?
土地の味が出やすいアスパラ露地栽培。
土地の味って、オンリーワンじゃない?
でも、思い通りにならないんですよ、露地栽培って。
思い描いた味、目指したい甘味・旨味、出したい風味などなど、
露地だと全然言うこと聞いてくれません。
そこが楽しくもあり、もどかしくもあり、農家の嗜好(思考)が
でるところです。面白いところです。
【最後に】
アスパラを作って何年かすると、
ハウスの人は露地を、露地の人はハウスを、
やってみようかな、と思うはずです。
上記のことがわかってて始めるのと、
わからないで始めるのとでは、対策のスピードも違うと思います。
でもね、両方つくると、本当に楽しいですよ。
アスパラの世界にようこそ、て感じです。
お待ちしております^^
2019年3月28日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿