2014年9月28日日曜日

アスパラ疫病

府県のアスパラ産地では、発生をひたすら隠すのが現状です、疫病。
発生=産地壊滅、と言われていますが、必ずしもそうならないし、
発生を隠しても品質や収量が下がるために、同様の弊害は出ます。
情報を公開して、少しでも他のアスパラ農家のためになれば幸いです。

北海道でのアスパラの疫病は、本州と発病の出方が異なります。
株元から白いカビのような病斑が現れまして、
雨の条件で広がっていき、枯死します。
おそらく罹病条件は斑点病と同じで、中温多湿。
萌芽初期に罹病したものが、雨の後で発病しますから、
上部にも病斑がみられます。
初夏や盛夏には発生しないため、
気付かない農家もたくさんいると思います。
特に、夏秋に収穫をしない農家は畑を回らないので気付かず、
秋に枯れるアスパラは当然だぐらいに眺めたりしています。
外から見る限りは、少し黄色いアスパラがあるかな、ぐらいだと思います。
アスパラの列を歩いて、株元を見ることが大事です。

末期になると、こうです。
春は予定収量の1/10くらいです。
秋にあんなに旺盛だった畑のアスパラが、春にさっぱり出ない。
よく聞きますよね。
疫病を疑ってみてください。
初期の発生であれば、対策があります。
露地栽培は、定植年の天候次第ですが、
天候による変動を少しでも抑えるのが、農家の仕事でしょう。

うちのこの畑は、もう末期です。
アスパラ畑480aのうち、60aがこの畑。
今年で止めます。
今後の露地定植は、土づくりというよりは圃場作りによって疫病対策します。
土の水捌けを改善するのは当然ですが、
停滞水は農業用水の排水環境にも原因がありますので、
用水が不全な場合は圃場内での改善、つまり
サブソイラや透水資材よりも、土の高低差や株の位置環境などを
考えた定植をすることをお勧めします。



順調な畑(いつも家から写真撮る畑)は、こんな感じ。
この畑が9月下旬に入っても青々しているのは、
5年ぶりくらい。
来年に期待しちゃいます^^

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