2015年1月28日水曜日

この冬の「いい本」

この冬は、近年になく良い本と巡り合えました。
読む本の選び方が良くなったのか、
読む期間を考えた選択ができるようになったのか、
人の勧める本を買うようになったからなのか、
学ぶ姿勢が向上したのか、わかりません。
もう冬の読書はお腹いっぱいです^^
特に良かった6冊について紹介させてもらいます。


「弱いつながり」
尊敬する仕事仲間が私に読んだ方が良いと教えてくれた本です。
現在の人とのつながりとそのつながり方、
我々が取りがちな行動のひとつひとつを見直すこと、
人間は環境に影響されるからこそ自分から環境を変えることが大事だと言うこと、
実際に現場に行くこと、
村人でも奔放でもない観光客的な立ち位置の面白さ、
そしてやわらかい哲学・・・。
刺激受けまくりの本です。


「ちいさな城下町」
泣くなったイラストレーターのエッセイですが、
さびれた城下町に行きたくなります。
実際に行くことに決めましたし。
新たな観点を得られる楽しさを教えてもらえます。


「ファシリテーションの教科書」
どうやったら前向きな組織になるのか、
どうやったら前向きな会議になるのか、
どうやったら前向きな司会ができるか。
そんなヒントがほしくて買ってみました、言わずと知れたグロービスの著書。
合意形成や現状認識について、そして共有する方法や意味など、
ファシリテーターとしてあるべき姿をちょっとだけイメージできました。
地域ではこの仕事がけっこう重要だと思いますが、
重要視されてませんし、そもそも現状認識が違いすぎて、
それを発揮する前にたくさんのことをしなければなりません。


写真にはありませんが、「がんばると迷惑な人」も良かったです。
タイトルで敬遠されそうですが、日本人に蔓延る美徳を
こだわりを捨てて考えて豊かに仕事をしようと示唆してくれます。
サラリーマンの仕事に違和感を覚えて転職した挙句に
家業を継ぐにいたった私にとって、とても共感できる本ですし、
そうなんだよソコだよね、と当時上司に言いたいことを
代弁してくれている本なので、尚更気持ちよく読めました。


その本の巻末に紹介があってすぐにかったのが「医師の一分」。
命は時には平等ではなく、医者の治療法選択回避への苦言、
二番煎じの難しさや、世に出ない失敗事例の重要性などなど、
異業種への新たな視点を親近感ある語りで示唆してくれます。
自分の仕事への誇りや自分の役割を再認識させられます。


最後に「ほんとうにおいしいものはお店で買えない」。
この本もある人が読んでるのをfacebookで見つけて買いました。
普段なら絶対読まないです、こんなに偏った本(笑)
でも勉強になることがありました。
偏った見かたで知ったつもりになってるとこういう本になるんだろうな、と。

良いことは信じにくいが悪いことは信じやすい。
こういう心理になるそうですが、まさにそうなんでしょう。

また残念なのが、美味しいものが買えるお店と言う紹介ページには、
大地を守る会とかクラブ生協とか、有機無農薬のお店だけ。
スーパーでは美味しいものは買えないと言いきってますが、
どこのスーパーを回ったんですかね。
水田が自然を守ると言う話も間違ってはいませんが、
そもそも水田を作り始めて農業を始めたことが、
自然破壊の第一歩だという歴史をご存じなんでしょうか。
まあ、会って話してみないとわかりませんけど。

何が良かったかと言うと、ある視点からみたら、こうです、
ということを伝える効果について考えられたことです。

知っていることをどれだけかけるか、という帝国データバンクでの経験が
ある私にとって、文章を読むときにはそれがいつも気になります。
この人、知っているか知ってないか、浅いか深いか、読めばだいたいわかります。
このブログもアスパラ以外は浅いだろ、という突っ込みはナシで。

でも多分、自分も同様に未経験の業界については
「ある視点から」しか理解できてないと思う。
新聞・雑誌や知人から得た情報だけでは、当然そうだろう。
ある尊敬する経営コンサルタントも、農業への知見が浅くてがっかりするが、
それはそれで当然なんだと思う。
全てのことを沢山の視点から情報を完璧に得られるなんて、そうそうない。

ただ、ある地点で「知った」とするのだろう。
そのある地点は個人差があるし、初めに得た情報とか
本人がそうあってほしいと言う情報がどの段階で入ってくるか、
または誰からか、またはどの媒体からか入るか、によるだろう。

殆どがそうだとするなら、そこには「仕方ない」とするしかない。
でもそうやって情報だけではなく一般論、常識、世論みたいものが
形成されていき、正しいことも正しくないことも浸透していくんだろう。

どうするべきか、なんて各個人が考えればいい。
そういうのが人間だし、それが変わるかも知れないし、変わらないかもしれない。
変わる過程かもしれないし、そこが最終形かもしれない。
でも今の感情や気持ちでは表しきれないし、未来もわからないので、
そういうことなんだろうな、としか書けないし理解できない。

本当に美味しものを食べたきゃ、探しに行けばいいだけだ。
流通や利便に頼らないで。
自分の足と舌で本当に美味しいものを探せばいいだけだ。

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