2016年11月20日日曜日

ロマンに反応

日経新聞でコラムを掲載している三浦知良氏。
その内容が秀逸でした。
http://www.kazu-miura.com/column/detail/?article=231
(無断掲載は怒られるのかな?)

私が考える経営も、全く同じことが言えるからです。
ロマンという言葉は、これまでなら全くもってスルーしてました。
しかもいつも読まないコラム。

理想を追うのは、経営も同じ。
その結果が、
吉と出るか凶と出るか、
成功するか失敗するか、
得するか損するか、
喜ばれるか怒られるか、
どうなるかは運にしか委ねられないこともある。

だからといって、手を抜くことは絶対にしない。
運で結論が左右されるとしても、
結果につながる作業は必ず存在している訳で、
それが未来につながることなら、信じてやり続ける。
それもきっとロマン。
気づかずにやっていたことだけど、見方によってはロマンだな、と。

できた、と思ったらまやかしで、
わかったと思ったら幻覚で、
知らないことがわかった時には次に何倍もの知らないことが出てくる。
人間が植物や土にできることなんて、本当に極僅か。
できると思うエゴは捨てたけど、
逆らわずに共存しようと思うと、またやることが出てくる。
そんな風にアスパラを作っていけている昨今。

就農当時に親父が言ってたことも、少しずつわかってきたり。
意固地に決めてやってきたことが上手く行ったり行かなかったり。
みんなの役に立てるアスパラ農家であるために、
もっともっと勉強が必要だと日々感じるし。

でも、伝えることって、本当に難しい。
伝え方も難しい。
そこに言葉と心を尽くす、ということは、
どちらかというとストレスになるので、逃げてきた。
逃げちゃいけない、とか、
愛があれば何でも言っていい、とか、
そんな乱暴な極論ではなく、
自分がどう感じてどうしたいと望んでいるのか。
そこに向き合って、素直に受け入れて、選択したい。

長くなりすぎた。
ロマンは追ってるかもしれないけど、
家族に必要以上の我慢をさせることには疑問がある。
どちらかというと、リアリストだと思っているし、
シニカルと言われればそうだと思う。



さて、積雪の準備がほぼ完了しました。
ハウスビニールを巻き上げ、除雪の目印のポールを立て、
作業機や道具を納屋に片付け、殺鼠材を撒き、
投雪機の準備を完了させる。

そして最後に、分析用の土をとり、
アスパラの養分転流の目安となる貯蔵根をとります。
白粘土に根が貫通してて喜んだり、
圃場による土の違いを実感したり、
思うようにいかない土作りのことを痛感したり、
吸収根の多少の差がよくわかったり、
面倒くさい仕事ですが、いい時間です。
丸一日かけて畑を歩き回り、
21筆を集めました。

毎年同じなのは、なるべく根を切らないようにしたいのに、
「バリバリッ」という音と共にたくさんの貯蔵根が切れて、
「勿体無い!」と悲しくなるものの、
「よしよし、来年もたくさんとれるぞ」、と思います。
出来が悪いときには、貯蔵根も吸収根も少ないですし、
糖度も低いです。
今年は全般的にけっこう良いので、来年に期待してます。


そして、家の中で分析する土を乾かし、
根中糖度を計って来年の参考にします。



露地のアスパラは、ワインみたいに毎年最高の出来なんて有り得ないです。
前年の養分転流、春の天候、土作りの成果などなど、
見えない要素がたくさんある中で、
その年その年の味を理解してもらえたら嬉しい。
ハウスアスパラは、そうも言っていられない。
ある程度環境を制御できるので、言い訳が露地の半分くらいしかない。

露地だけじゃなくハウスも多くなる来年は、
新たに試される年になりそう。
ロマンだ。

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