2016年5月5日木曜日

アスパラの価格高騰その2

その1が未だに多くのアクセスがあるようです。
最近の価格高騰にはそれなりの理由があるので、
久しぶりにその2を書いてみようと思います。


以前と状況が大きく異なっていて、それは、ギフトの発送時期です。
2012年はまだ露地ものが出る5月がギフト発送のメインでした。
しかし昨今では、気候変動により露地の栽培が現状しており、
それに伴ってハウスでのアスパラ栽培が増加、当然収量も増加、
露地に比べて見た目もきれいで太いものが出やすい、ということで、
ハウスものをギフトに使うことが増えてきました。


2Lで500円(キロ単価3,333円)を超えるのは、珍しいです。
Lでもキロ単価2,000円を悠に超えてました。
おそらく、3月後半から4月前半の高温でハウスものが順調に伸び、
ギフトが始まる4月中旬には低温により勢いがなくなり、
後半になっても低調なままハウスものが推移し、ギフトに使う
アスパラが少なかったのではないでしょうか。


しかし、それでいいのでしょうか。
アスパラの品質ではなく、ただのサイズと量だけで価格がつくという市場の仕組みで。
生産物の価値は、生産者がつけて、購入者がどう評価するか。
その価値は、味、生産方法、担当者の人柄、有機的な背景、
取り組み、貢献度合いなどなど、さまざまな要因から考慮されて欲しい。
そう願ってます。
市場だけに任せているから、野菜全般的に市場を経由しない契約栽培で
決まった価格で生産する農家が増えているのでしょうし、
信用を市場ではなく仲卸や小売店と構築する農家が増えるのでしょう。
市場が不要だとは言っていません。
市場も農協も、必要だと思ってます。
問題は、作り上げてきたシステムです。
変えようと、変わろうとしないシステムです。
売ってみないといくらになるかわからないものに、
そもそもいくらの投資ができるか、考えられますか?
たくさん収穫できる時期は、作物の理にかなった時期であり、
一番おいしい時期、一番価値が高い時期ではないのでしょうか?
どうぞ、生産者のために、異常な高値も異常な安値もいりません、
安定供給可能な価格を付けてください。
うちは市場に出す量は限られますが、日本全体の流通を考えると、
市場機能・農協の機能は必要不可欠だと思います。
よい生産者がきちんと投資していい物を作れるように、
そういう価格を付けてくれることを切に願います。


ちなみに、ハウスと露地とではどの程度太さに影響あるかというと、
ハウスの方が風や低温の影響を受けない分、太くなりやすいです。
これは、トンネル栽培をしているとよくわかることで、
開けて風に当てながら一日過ごすのと、閉めて風に当てないのとでは、
圧倒的に後者の方が太くなるのです。
表面が乾燥することが主な要因だと思われます。
ですから、露地で太いものを作るのは、環境的にはハウスよりも困難であり、
1サイズくらいの差があると思ってもらっても間違いではないです。
つまり、露地のLは暖かくて風が当たらなければ、ハウスの2Lくらいだということです。


雨が続いていますが、5/2の氷点下で北海道の露地アスパラは
ほぼ全滅だったと思います。
遅れたハウスものが出ている状況です。
ところが、この雨の後で陽気が続きます。
北海道全部の産地からアスパラが一気に出始めると思います。
そうすると、一気に値崩れすると予想されます。
このような動きには慣れましたが、この動きに左右される経営は、不安定すぎます。
信頼関係を基本においた農業ができることが、仕事を充実させてくれます。
市場価格に影響を受けずに商売をすることは、
表面的には可能なようにみえるかもしれませんが、
現実的には不可能です。
少なからず、比較対象としてこちら側ではなく購入側が気にする以上、
影響は受け続けていると思います。


とりとめない話になってしまいましたが、
目指すところは市場に左右されない信頼関係を築ける農家になりたいし、
市場や仲卸には農家と共に繁栄することをお願いしたいです。


さて、ハウス内は雨が関係ないようで少しありますが、
露地に比べると関係ないですね。

みたら仕事がどんどんできてくる。
苗がいい感じだ。
補植しないとな。
あれ、露地はもう1週間後?
急げー・・・

お前もそういう人間になるのか?

どう生きたいのか、という問いを、
ひとつ屋根の下のアンチャンが明確に答えてます。

https://youtu.be/3IUFVXF0Nxo

周りはみんなそうだ、と言うチイ兄ちゃんに対し、
よそ様のことはどおでもいい、お前もそういう人間になるのか、と問う。

感動的です。
自分にいつも問います。
どういう生き方をしたいのか。

このブログを監視するようにみている方がいるのは存じてます。
先日の記事消せ騒動を友人に相談したところ、
同調は批判さまざまな意見をいただけました。
ある人から自分の立場を自覚した方がいいよ、ということ。
立場、です。役職ではありません。
農村社会で生きることって、そういうことなんだと思います。
かわいそうな人に、上記を問いたいですね。
私が地域のためにやっていると思ってくれている方もいるし、
自分だけのためにやっていると思っている方もいる。
どう思われようが、行動はかわりません。
それが地域のためにも自分のためにもなると確信しているからです。


トンネル、4/26で頭見えたくらいでしたが、

4/27からちょっとずつ収穫が始まり、
5/3からピークに入りました。




夕暮れはいつでもキレイです。


4/30には雪も!


ハウス内は、順調に萌芽始めてます。
8/14定植のアティカス改め、ウェルカムATです。
これはいい品種だと思います。

早いハウスではもうこんなに。
防除しなければ・・・。


5/3、休みがないいつもの新聞屋さんと焼肉&花火!

10年くらい赤そりでしたが、今年から青に!
農協においてあるソリを買うだけなので選びませんでしたが、
緑、黄、橙、紫などあるようなので、今後はカラフルにしようかな^^

2016年4月24日日曜日

ハウスの端境期に思う

狐によるアスパラの被害額は年間10万円を超えます。
巣穴がこの辺り。
罠をしかけても、警戒心の強い親狐はなかなかかかりません。
アスパラをかじり散らすだけじゃなく、暴れまわって折りまくる。
残酷ですが、人から逃げなくなるし、危険なので、駆除。
美唄のアスパラが被害を受けても美唄市役所は本腰入れないのよね。
まあいいんだけど。人に頼っても駄目だし。


実はここに書いたことが、ある事情から削除しました。
理由は後日書きます。
文章は残しとかないと、「あいつはこう言ってた」に尾ひれがついて歪曲した話で伝わるので、一回書いたことは残します。



4月は例年以上にシェフが沢山来てくれました。

アスパラが端境期に入っていて、収量は底ですが、
朝シャッキリしているアスパラは気持ちがいいです。

アヤトリ大好きなムスコ。

ピアノを弟に教えるムスメ。


昨年新植したアスパラのマルチはがしに、
パートさん6人がかりで、一気に。
約8反の畑を3時間ほどで終わらせてくれました。
春は雪解け後に雨が多く、中々思うように作業が進みません
でしたが、パートさんに例年以上に沢山働いてもらい、
何とか帳尻が合いそうです。

殻の焼却も、集めてもらえると早い早い。


そしてトンネル、きれいに並んでます。

金曜日、ようやくアスパラが顔を出し始めました。

4/28くらいから収穫できそうです。
それから2週間後には露地アスパラが開始!
だんだん気持ちも盛り上がってきました!!

2016年4月15日金曜日

ハウス&トンネル

地震で被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。
いつ何が起こるかわからないのは、どこにいても同じ。
毎日を精一杯生きようと思うのと、受け入れる準備だけはしときます。


さて、トンネルを張り終え、ちょっと一段落。
こちらはトンネル用のアーチです。
これにトンネルビニールをかける作業を、一日で行います。

完成写真。
パートさん4人に来ていただき、父と母と私。
8時から開始して、14時には完了。
毎年思いますが、この仕事がうちやま農園で
もっともスピーディでありスペクタクル。
やらないで、見ていたいです。


一段落は段取りの方で、収穫はピークに入ったのがハウス。
上下は同じハウスの写真ですが、撮り方で全然違います。
毎日こうはならず、初めの収穫ピークを向かえたハウスです。


昨日はアスパラ仲間達とお抱えのお店で秘密の会合。
本当に楽しい4時間でした。


吸収根について、少し。

萌芽前の吸収根の伸長については、やはり一定の期間と
高すぎない温度が必要だとわかる。
伏せ込み栽培だと断根しているし土から離れるので、
早くに高温にしたり温度をかけすぎたりすると、
二次萌芽が急激に弱くなっていき、そのまま収穫不可能な
状況になるそうです。
しかし、3年目のハウスは、地温が高温になって一時的に株が
体力を浪費したとしても、温度が下がれば回復するようです。
回復と言っても、大幅に減少したものの死なずにいる、程度です。
データからは、やはり地温を高温にしすぎ(20度以上)るのは、
アスパラにとっては全くよいことがないし、
春先の萌芽前に急激に蒸し込みを行うことも少し考え直したほうが良さそうです。
ようは、うちのやり方も見直しが必要かも、と。

一方で、当然ながら秋の吸収根伸長も見逃せません。
病気をつけずにしっかりと秋に吸収根が張っているアスパラは、
体力もありますし正品率も高いです。
秋ももちろんですが、春の管理の工夫ももう少し改善できるかもしれないです。

ということを、試験ハウスと伏せ込み栽培の研究者たちと
アスパラ仲間のお陰で学べました。

2016年4月11日月曜日

こんな時期に出張とは

遅い投稿ですみません。
3/25-27、園芸学会出席のために出張でした。
場所は神奈川県の東京農業大学厚木キャンパス。


出発前の露地畑はこんな感じ。

ハウスもまだ萌芽前。


園芸学会の前に、福島屋さんで打合せ。
今年は昨年とは違う販売をしてくださるとのことで、
楽しみな一年が始まります。


こちらは、念願の伊右衛門農園の三橋さんの圃場に行っての写真。

自走式トレンチャーというお宝や、

トトロがいそうな裏庭も。
三橋さんの野菜と土、農業に触れて、触発されたこと多数。
農業って、人だよな~と改めて。


こちら、30年ぶりに会った友人。
小学校3年生の夏休みに急に転校しちゃったんだよね。
違う環境で育ってきたけど、相変わらずの友人で安心しました。


で、園芸学会。
事前のアスパラガス小集会は、とても有意義。
懇親会で有志による情報交換もとっても楽しかったし、
全国のアスパラ農家と知り合えたことがまた財産。

でも、発表の半分以上が、試験のための試験でした。
つまり、現場で利用することが大前提なハズなのに、
現場を無視した試験やその発表があまりに多い!
もう少し現場に足を運んで声を聞きなさい、と言いたい。

もちろん農家の声が全て正しいわけじゃないし、
農家の小さい枠にはまった要望は広がりがない。
でも意見を聞けば、そこから違う思考や知識を持った人間が
違う発想で新しい組み合わせを思いついたりするはず。

そして私も、こういう場に出させてもらったお陰でまた人脈が広がりました。
上記の現場の声のようなものを研究者たちに伝えるのも、
私の役割なのではないかと思うところです。

ちょこっとだけ、ポスターの前で発表しました。
冷やかし目的でくる嫌な奴に
嫌な態度で対応するという大人気なさを発揮。
反省。


で、年に一度のムスメのピアノの発表会が3/26。
つまり、私は見れなかったわけで・・・。

頑張ったんでしょう。

出張からすでに2週間以上が経過しましたが、
考えるネタは尽きません。
伏せ込み栽培を契機に。

2016年4月3日日曜日

出てきました~

アスパラの季節がやってきました!
萌芽までは何だかんだ意っても言っても不安がありますが、
とりあえず一安心。

試験ハウスが一番早いです。

4/1の朝から収穫開始。

株によってはこんな状況に。
収穫するのに鎌で傷つけてしまいそう。

早速茹でていただきましました。
お先に失礼します!

今年もひっそりとパートさんを募集しています。
ご希望の方がおりましたご連絡ください^^