続けていると、見えてくること、新たに気付くこと、色々あります。
凡人の営業は、技術よりも数、トークよりも度胸、説明よりも相互理解、です。
動いて聞いて理解して、自分の方向が見えてきます。
農業技術もそうですが、営業の方法も公開してもいいんじゃないか、
と思い、少し書いてみます。
長いので、興味ない方は飛ばしてください。
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営業は農業を続けるという目的の中の手段のひとつでしかありません。
生産性を上げる、品目を変える、秀品率を上げる、
作付面積を増やす、などと同じく、営農目的の手段です。
そして、営農の手段もしくは戦略として営業を選択したならば、
その営業にも目的はあります。
良く聞く、聞こえる声は、「たくさんの人に食べてほしいから」。
それは外向きの理由です。
だって、それならただでどんどんばら撒けばいい。
営農のために必要な目的があります。
よく言われるのは、高く売りたいから。
あと、農協(市場、系統とか)に販売を任せておけないから。
さらに、有名になりたいから。
ブランディングのため、とか。
何のために営業するのか、は大事なことです。
それが決まってないと、営業しているが手続きが面倒とか、
せっかく営業しても安い値段でしか売れないとか、
業者はわがままだから付き合ってられない、とかいう文句しか出ません。
色々な方向への営業コンサルはできるので、それは書きません。
ここでは、うちやま農園の営業、もしくは私個人が考える
営農のための営業について書きます。
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なぜ営業するの?
うちやま農園は、農業を続けるためです。
第一優先で且つ毎年努力を怠らない最重要項目は、
アスパラの収量と品質を上げること、です。
コレ抜きに営業は無意味だと思っています。
作れてこその営業、自信もって売れるからこその商品、
農業は、収量×価格=売上もしくは利益、なのです。
補助金は雑収入として考えるべきで、単純化した方が考えやすい。
アスパラは補助金の対象ではないために、沢山取るしかありません。
しかし、沢山とっても売値が低いと、赤字になってしまいます。
市場価格に左右されることが、経営リスクのひとつです。
自分で売ることは、売値を決められるということです。
どれだけとれば、どれだけ売上があがる、と計算が立つことで、
適正な人員配分や経営資源の投資が可能となります。
実は6年前までは産地づくり交付金として、アスパラは
水田転作であれば8万円/10aもらえていました。
うちやま農園では200万円、作るだけでもらえていました。
これが市場での価格変動リスクへの保険でもありましたので、
ずーっと農協出荷を進めて参りました。
しかし4年前の不作時、市場価格が減少を補うほどはつかず大赤字、
3年前の豊作時には市場価格が大幅下落したために赤字、でした。
ただでもらうと言うことは、経費もかからないお金なので、
当然ですが200万円の利益が丸々なくなるということは苦しいことです。
このようなリスクに対応するには、契約栽培がいいと思ってます。
といっても、これはここ3年で確信したこと。
当初は違うことを考えてました。
①知名度向上。いいところに出して、知名度から販売につなげたい。
②ユーザーの声を、できれば批判などをもらいたい。批判を商品に生かしたい。
この2つは、ともにある程度実現しましたが、満足はできませんでした。
雑誌やネットで有名なお店に飛び込み営業して使ってもらい、
アスパラについてもあーだこーだと意見をいただくことができました。
ところが、だんだんわかってきたことがあります。
①有名なお店にアスパラを使ってもらっても、知名度があるわけではない。
もっと言うと、使ってもらっているもののうちのアスパラ、
私と言う人間の価値は何もかわらない。
②商品作りに生かせるものの、それよりもお互いの会社の
在り方や価値を認めあえる関係の方が心地よいと感じる。
つまりは、美味しいと言う価値は、その人それぞれであること、
そして、美味しさと客単価はイコールにならないこと、
そして、うちのアスパラを使うかどうかはお店としての美味しさや価格ではなく、
使いたいアスパラかどうかだけである、ということに気付き始めました。
これは色々な人の意見を聞き、断れるのが前提で飛びこみ営業をしたり、
買ってくれる方からその理由を聞いたり、情報交換しながら販売への
知恵を小売店に絞ってもらったりしながら、ようやく見えてきたことです。
うちやま農園が主に営業したのは、有名レストラン。
そして八百屋さんや量販店さん。
そのうちfacebookでオープンに紹介してくださいと言ったところ、
それを応援してくる方々に数店紹介していただき、
現在の基盤に至ってます。
ざっくりですが、自分でつながったのは量で言うと2割くらい、
数では1/3くらいで、ほとんどが紹介でつながりました。
今では、うちのアスパラについて文句を言われても、
他の農家のアスパラの方が言われても、
アスパラに価値を感じてもらわなくても、何も気になりません。
価値観の合う方々、もしくはうちやま農園のアスパラを好んでくれる
方々にお会いできれば嬉しいし、お会いできないのであれば
機会が少ないか、私の人間的な魅力が足りないからだ、と思えます。
飛び込んでもたいした話をするわけではありません。
うちの特徴である歴史と露地栽培について話し、
あとは商売の姿勢や人間は話してて勝手に出ていると思ってます。
そこで商売になるかどうかは、相手次第、先方次第です。
長くなりましたが、こんな営業してます。
お願いします買ってください、は一度も言ったことはありません。
サラリーマンの時も、言ったことはありません。
営業って、先方の課題を解決するか、先方の力になるか、
それを探って提案する仕事です。
決して買ってもらうのが仕事じゃないんです。
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今回は久松農園の久松さんに同行していただき、丸一日、
既存取引先挨拶や新規ニーズ調査で二日、東京に行きました。
その一部を紹介。
こちらは東京変態八百屋の会のひとり、「三茶ファーム」千田さんと。
こちらは東京西部でスーパーを経営している福島屋さんのバイヤーさんと。
ともに久松さんに紹介していただき、一緒に営業回りました。
この営業同行は2年ぶり2回目です。
大好きな農家と営業しながら農業論をかわすという贅沢な時間です。
そしてチーム久松農園のスタッフのみなさんと。
ミーティングにも参加させていただき、有意義な時間を過ごしました。
こちらは同じく変態八百屋の野村さんのお店「やさいやふうど」。
さらに安井さんのお店「こだわり商店」。
アポイントもとらなかったのですが、温かく迎えていただきました。
2年3年とつきあううちに、同士になっていく感覚は、また格別です。
訪問は迷惑だったでしょうけど…。
これ以外に、紹介で3件の飲食店さんとつながることができました。
そして飛び込み営業もまたやってきました。
まずは見積もりを、とか、太いのしか興味ない、とか、
3月からあるなら、とか、今回は散々な結果でした。
しかしこれもニーズです。
私がそれに合わせるかは、私の自由。
こういうニーズがあって、誰もがうちのアスパラを求めていないと、
頭でわかるよりも体験できる時間が私には価値です。
営業の話、聞きたい方にはいくらでも話します。
今回はこの辺でおわります。
また2月に愛知に営業行きますw
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