2014年12月16日火曜日

福島の今

福島、というより、原発の影響で避難区域に指定されてる、
もしくは指定されていた地域の今、です。

農家のこせがれネットワーク北海道(REFARM北海道)から
派生した、農家の勉強会グループ北海道Rootsによる
冬の研修で、原発の影響の今を見に行きました。
アトンドしていただいた現地の方には、心から感謝です。

一泊二日の行程で、津波被災地区、復旧未着手の地区、
原発による避難指示地区、除染作業などなどを見せていただき、
住民と研究機関との間に入って農地再生に向けた
放射性物質の現状報告などをされいていた方の
講演を聞かせていただくと言う充実した内容でした。

農地の除染作業の一工程で、表土や枯葉などを黒いフレコンバックに
入れて仮置きしている状態です。

住宅の前にも。

住宅街とフレコン。何度も見ました。

こちら、富岡駅の周辺。6号線を通ってこちらへ。
新しい駅舎と思われるものが奥に見えます。
手前の支柱もそうですが、この背後にある廃墟は
写真もとれないくらいの手つかずの状況でした。




こちらは、農地の除染中。
除染と言っても、表土5cm削って、客土10cm、という作業。

除染物質仮置き場にて。
今回の参加メンバーは8人。
自由参加だし、農家の規模や理念はバラバラです。
ようは、小規模有機農家、大規模畑作農家、
大規模野菜農家、小規模野菜農家、などなど、
一般的には交流が少ないと思われているメンバーです。
そんなくだらないことにこだわらない、勉強熱心な変態です(笑)

それぞれが感じたことは、それぞれだと思います。
だれも強要しないし、偏見を捨てるために見に来たんだから。
それが言わなくてもわかるメンバー。
本当に優秀。というより、こうあってほしい。


私が感じたこと、気付いたことを、少し書きます。
あくまで私見なので、強要する訳でもないし、
ご意見はいただけると嬉しいです。

驚いたことは、放射性物質が自然減する、ということです。
自然減と言っても、植物に取り込まれてしまった場合もあるだろうし、
水で土と一緒に運ばれたり、消えたわけではないと思います。
しかし、住民による放射線の測定でも、3年半のうちに8割減少しています。

広島・長崎での原爆投下、世界中で核実験を行っていた時の放射線飛散量、
ビキニ環礁の核実験による被曝などありますが、そういうことだろう、と。
ただし、ゼロにはなっていないので、低量の放射線を被曝し続けることによる
人体への影響については少なくともあると思いますので、
これは世界的な調査を続けて公表してもらいたいと思います。

ちなみに放射性物質、放射線、放射能、についてのわかりやすい説明。
放射性物質はウルトラマン、放射線はスペシウム光線、放射能は各ウルトラ兄弟の能力、です。

放射性物質に関する発表では、出るものと出ないものがあります。
被災者感情をあおったり、いじめにつながるようなものは出さないと言う、
あまりにもあいまいな基準で判断されているようです。
避難指示によって災害を被った人、避難地区ではないけど
危険性から災害を被った人、避難地区外で風評被害を被っている人・・・。
枚挙に暇がありませんが、誰が悲惨とかいい思いしてるとか、
そういう争いについては、我々が関与すべきではないと思ってます。
ですが、どういう状態にあるか、については知っておいてよかったと思ってます。

人体に影響ある放射線量については、公表数値はあります。
でも個人差あるでしょう。
これまで農作物について持っていた考えは、少し変わりました。
人体に影響はありますが、農作物が吸収している量は極僅かで、
農薬と同じような基準で考えるなら本当に微量で、
体内に入っても排出される程度の量であれば問題ないのではないか、と。
農薬や放射性物質が少しでも入っていれば有毒、と信じるならば
もうそれを食べた時点で精神的に有毒なので、身体もそういう反応をするでしょうが、
少なくとも肝臓の機能で処理できる量であれば、私は食べてもいいかな、と。

除染については、セシウムの粘土への吸着の仕方も興味深かったです。
つまり除染方法としても様々な方法がある中で、予算含めて
どの手段をとるか、難しく複雑な問題が山積みのようです。
耕起方法や農法などなど、目で見えること見えないこと…。

地域によってはいまだに放射線量が高止まりしている地域もあるようです。
除染をこまめに続けることが良いのか、
地域であるていど見切りをつけて補償問題にするのか、
歴史ある地区、先祖代々の土地、生活保障、
隣町との関係、それぞれ違う本音と建前。

とにかく話を聞く。
コミュニケーションは、質よりも数。
これについては異論がないところです。
経済よりも優先させるところは、そう多くないと思います。
他人事と思えないことを、現地に行き、現地で話を聞くことで
より身近に感じることができたとともに、
伝える側に立つということがいかに難しいかも痛感してます。
当然、SNSは無力です。facebookはやってますが、書けません。
かといって、対面でどこまで話せるか、わかりません。
認識を変えてくれて、考える機会を与えてくれた研修会に、感謝。
今はそれだけです。

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