2011年4月25日月曜日

ホワイトアスパラ云々

こんな感じです。
培土に遮光シートをかけてるのを、撮影のためにちょっと捲りました。
 
遮光シートをかけるには理由があります。
本来ホワイトアスパラは、アスパラが持ち上げて
割れた土の表面を見極めて鎌を入れて収穫しますが、
泥炭(ピートモスのようなもの)は比重が軽く(0.7くらい)、
土が割れません。
頭を出すまでわからないので、そのままにしておくと
緑になります。
それで、頭を出しても白でいられるように、
シートをかけて暗くしておくんです。
比重が軽いおかげで、本来でるエグみや香りが
少し足りない気もしますが、そこは技術でカバー。
ただ、品種の差だけはカバーできません。
こうやって、そーっと土をめくって収穫します。
 
ホワイトアスパラって、
サポニンが苦みやエグみの要素なんですが、
サポニンは高麗人参の主成分です。
食べると健康になる気がしませんか?
といっても、作物が違えば作用も多少異なります。
アスパラのルチンとそばのルチンが異なるように。
だから、わかりません。
でも美味しい。
何が言いたいかというと、
ゴボウや高麗人参にサポニンが多いことと、
土を被せる栽培方法に関連性があるのではないか、
ということを匂わせたかったりするだけ。
 
あるシェフは、理想の味だ、と。
またあるシェフは、細くて使えない、と。
またまたあるシェフは、遮光トンネル栽培と土を盛ったものの中間の味がする、と。
そしてあるシェフには、味がひねくれてる(褒め言葉)、と。
共通の理解をしてくれるお店とお付き合いさせていただいています。
 
そうです、うちは味だけです。
太さでは勝負できないし、しません。
ホワイトアスパラ作って4年目、これまでで一番美味しいです。
要因はひとつじゃないので、敢えて書きません。
 
ホワイトアスパラは最近太いのがたくさん出回っている。
その生産技術も素晴らしい。
でも太さだけを求められるなら、売りたくないな…。
太いのもあるけど、味の評価がないとね。
3年前、アスパラは味付けでどうにでもなるから、
太くて安いものを、と高級料理店2店から言われ、
お付き合いをお断りしたことがある。
今もそれは教訓として残っている。
アスパラの営業も、お互いに認めあえるパートナー探し。
 
 
ムスコ、ようやくはいはいを覚えました。
8か月で立つという挑戦は止めたようです。
やんちゃ坊主だと楽しいな。

2 件のコメント:

kazedayori さんのコメント...

>アスパラは味付けでどうにでもなるから、
>太くて安いものを、と高級料理店2店から言わ>れ、お付き合いをお断りしたことがある。


そういうことあるよね。
僕もたくさんありますよ(笑)。研修時代は取引先に,「味がする人参は料理を邪魔するから勘弁してくれ」って言われたし。普段使ってる野菜がそんなもんなんですね。

我々はまだマシですよ。竹中直人が言ってたけど,どんなに頑張って映画つくっても,「あ,オレ映画見ないから」って言われたらこの仕事は終わりだって(笑)。

ひろし さんのコメント...

kazedayoriさん
味が大事といいながら、付き合ってるうちに安いものを求めだすのって、断る理由なのかな、とも思います。常に新しいものを求めてますからね、彼らは。
でも素材の味を疎かにする料理店が長続きするとは思いたくない…。

あ、アスパラ嫌いなんで、とか。そんな人とはあまり会ったことないですが、嗜好品の部類なので、竹中さんのような恐怖は常に持ってます。